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C大阪4位以上確定。逆転ACLへ乾「勝つことだけを考えてやる」

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[11.28 J1第33節 湘南0-4C大阪 平塚]

 プレッシャーは全くなかった。いつも通りの攻撃サッカーがそこにあった。セレッソ大阪は敗れれば3位以内が消滅し、同時に自力でのACL出場もなくなる状況だったが、最下位の湘南に4-0で大勝した。5位清水に勝ち点4差をつけたため、残り1試合を残してJ1復帰初年度としては文句のない、4位以上も確定させた。

 前半は攻めても攻めてもバイタルエリアを崩せず、焦りが出てもおかしくない展開だったが、MF家長昭博は「1点入ったら大量点、2点、3点入るなと思った。相手も90分もたないだろうなと思ってたし。あまり気持ちも感じなかった」と余裕の戦いぶりだったことを明かした。同じ時間帯に試合を行っていた前節3位鹿島の京都戦の結果についても、「ハーフタイムに聞いた? 誰も何も言ってなかった。ぜんぜん知らなかった。選手自体は他の結果を気にする感じではなかった」という。

 DF茂庭照幸によると、選手は試合後のストレッチの際に鹿島の結果を知ったという。それも、スタッフや監督からきちんと伝えられたからではなく、MFアマラウが冗談か、単純な間違いかは不明だが、「京都が鹿島に2-1で勝ったらしい」と“誤報”を発したため、鹿島の2-1勝利の結果が伝えられたという。たしかに、上位の結果を気にしても仕方ないが、この“裏話”は、それだけC大阪が自然体で戦っていた証拠だ。

 昨年はJ2で切磋琢磨した湘南に、力の差を見せつけて白星を奪い、勝ち点を58に伸ばした。2位鹿島、3位G大阪とは勝ち点1差で最終節・磐田戦を迎える。他力だが、ACLはもちろん、2位まで浮上する可能性が出てきた。MF乾貴士は「最後、勝つことだけを考えてやりたい。もし4位で終わっても、天皇杯で上の3チームの優勝を応援します」とさらりと言ってのけた。

 家長も「俺らは勝たないといけない。勝つだけです」と鹿島やG大阪にプレッシャーをかけることを誓った。ある意味、追う者の方が気楽なのは事実。C大阪が誇る左右の“天才ドリブラー”はこの日見せた自然体の、いつも通りの攻撃サッカーで磐田撃破に導き“奇跡”を待つ。

[写真]C大阪MF乾(左)

(取材・文 近藤安弘)

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