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逆転残留の神戸・和田監督が続投に意欲、今後クラブと話し合いへ

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[12.4 J1第34節 浦和0-4神戸 埼玉]

 ヴィッセル神戸和田昌裕監督が来季続投に意欲を見せた。今年9月、三浦俊也前監督のあとを継ぎ、コーチから昇格。就任当初は5試合連続で勝利がなかったが(2分3敗)、ラスト7試合は4勝3分の無敗で切り抜け、逆転残留を果たした。

 試合後の記者会見で「奇跡というか、逆転で残留できたという実感がまだない」と第一声をあげた指揮官は「来年のことは社長と話していく。今までは(来季は監督を)やらないという話だったが、まだ分からない。GMにも魅力はあるが、去年と今年、監督を経験して、監督にも魅力を感じている」と話した。

 就任当初は三浦前監督時代のやり方を踏襲したが、就任4戦目となった10月17日の横浜FM戦(0-1)後、マイナーチェンジを施した。「あまりいじらない方がいいかなと思って、昨年からずっとやっているゾーンディフェンスを継続していたが、ずっと違和感があった。自分のやりたいことじゃないと。このまま降格したら自分の中で悔いが残ると思った」

 続く10月23日の名古屋戦(1-2)では、前線からのプレッシャーを強め、ボールサイドではマンツーマンディフェンスを採用。守備の仕方の転換で「選手もボールの奪いどころがハッキリした。名古屋戦は負けたけど、納得いく試合内容だった」と手応えをつかみ、その後の7試合負けなしにつなげた。

 昨年7月にもカイオ・ジュニオール元監督の電撃辞任に伴い、チーム統括本部長から後任監督に就任。三浦前監督の就任まで5試合(1勝2分2敗)の指揮を執った。「去年は何をやっているか分からない状態だった。それがいい経験になって、今年は選手交代で落ち着いて状況が見えるようになった。攻める交代ができるようになったと自己分析している」

 試合後はサポーターの前で選手から胴上げも受けた。FW吉田孝行は「和田さんを何とかしたいという思いがみんなにあった」と言う。選手からの信頼、人望を集め、チーム一丸となって勝ち取った残留。和田監督の続投か、監督交代か。来季の行方を決める最初の分岐点となりそうだ。

(取材・文 西山紘平)

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