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[大学選手権]豪快ミドルでまず1点、永井が"らしくない"先制点

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[12.18 全日本大学選手権1回戦 仙台大1-2福岡大 プレテク]

 プレッシャーも力に変える。福岡大のU-21日本代表FW永井謙佑(4年)が初戦でまずは挨拶代わりの先制点を奪った。

 前半29分、GK原利洋(4年)からのロングキックを受けると、自らドリブルで仕掛け、PA外から右足を振り抜く。きれいにDFの間を抜けたシュートがゴール左下隅に吸い込まれた。

 「上手く自分の打ちやすいところにボールを置けたので。イメージ通りのゴールです」。50mを5秒台で走る俊足が最大の武器だが、この日のゴールはスピードとは無関係の弾丸ミドル。「遠めからはあんまり打たないんだけど、練習してきたのが生きたのかな」と照れ笑いを浮かべた。

 全体練習後、後輩のFW石津大介(3年)とシュート練習を始めたのがきっかけとなり、居残り特訓が始まった。「途中から2人の勝負みたいになって、気が付いたら毎日やるようになっていた。最近はコーチと一緒にシュート練習をしている」と言う。「DFをかわさなくてもゴールを決められた。いいゴールだったと思う」と手応え十分の一発だった。

 11月のアジア競技大会で得点王を獲得するなどU-21日本代表の初優勝に貢献。名古屋入団も内定し、周囲の注目度は日増しに高まっている。この日も試合会場には報道陣が殺到。試合後は永井のためだけにテレビカメラが並び、単独で取材を受けた。「これまでもインカレに出場していたけど、こんなに(報道陣が)多いのは初めて」と驚きながらも「期待に応えられるようにしっかり結果を残していきたい」と飄々と語っていた。

 心身ともに疲れが残っているのは間違いない。下がりながらのチャンスメイクが多く、シュートは2本だけ。この日のゴールにも“らしさ”はなかったかもしれない。とはいえ、どこからでも打てるシュートが新たな“らしさ”に加われば、さらに相手に脅威を与えるストライカーへと進化を遂げることになるのは間違いない。

[写真]FW永井謙佑は前半29分に先制点を決めるなど勝利に貢献

(取材・文 西山紘平)

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