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[大学選手権]“夏の王者”駒澤大は後半2発で広島修道大下す

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[12.18 全日本大学選手権1回戦 駒澤大2-0広島修道大 栃木グ]

 第59回全日本大学サッカー選手権が18日に開幕し、関東各地で1回戦が行われた。今夏の総理大臣杯全日本大学サッカートーナメントで優勝し、大学日本一に輝いた駒澤大(関東4)と広島修道大(中国)の一戦は、駒澤大が2-0で勝利した。

 駒澤大は来季の川崎F入りが内定しているエースFW棗佑喜(4年=丸岡高)が約1週間前に右膝を負傷。この日はメンバー外となった。さらには全日本大学選抜台湾遠征から17日に帰国したばかりのDF林堂眞(3年=習志野高)、FW山本大貴(1年=ルーテル学院高)はベンチスタートと主力メンバーを欠いた中で試合に臨んだ。

 立ち上がりから厳しい時間が続いた。3-4-3ながら両サイドのMFが最終ラインまで下がりきり、ほぼ5バックの広島修道大の守備を切り崩すことができない。金久保が再三右サイドから突破を図るがクロスの精度を欠き、チャンスは作れず。ロングボールを入れても相手にセカンドボールを奪われ、単発な攻撃で終わった。

 逆に広島修道大は、守備を固めカウンター狙いのシンプルなサッカーを展開。ボールを奪うとFW蔵本達也(2年=広島観音高)とFW木下卓哉(1年=広島観音高)が2列目から果敢に飛び出し、好機を作った。しかし、PA内へあと一歩攻め込むことができず。得点は奪えない。互いにゴールのないまま前半を終了した。

 しかし0-0で迎えた後半、駒澤大が大学日本一のチームとしての意地をみせた。後半13分、MF金久保彩(4年=花咲徳栄)の右CKに合わせたDF金正也(4年=神戸科学技術高)がヘディングシュート。相手DFにクリアされるが、こぼれ球をゴール右で拾った金久保が折り返す。これにFW三宅徹(3年=名古屋U18)が左足で合わせて先制点を決めた。

 先制直後の同15分にはMF湯澤洋介(2年=矢板中央高)が相手MFと競り合った際に手で止めたとして、イエローカード。これが後半8分に受けた警告に続き、2枚目となり退場となった。数的不利となった駒澤大だが、同32分にはFW奥村情(2年=名古屋U18)に代えて、山本を投入。前線にフレッシュな選手を入れて、守りに入らずにあくまで追加点を狙っていく。

 さらに同41分にはMF碓井鉄平(2年=山梨学院大附高)に代わって、MF佐光塁(4年=帝京大可児高)をピッチへ送った。そして同42分、金久保の右CKにニアサイドのFW大塚涼太(4年=花咲徳栄高)が頭で合わせて追加点。総理大臣杯決勝、天皇杯1回戦と大舞台で決勝ゴールを決めてきた大塚のゴールで広島修道大を突き放した。2-0で試合は終了し、駒澤大が準々決勝進出を決めた。

 試合後、金主将は「いつもは攻められて、耐える中で速攻で点を取るんですが、ああいう風に引かれたら、いつも通りに戦えなくなってしまう。今日はセットプレーとかしかないかなと思っていた。そこで、セットプレーから崩しての2点が取れたので良かった」と試合を振り返った。

 多くの選手が試合後には「夏に続いての2冠を達成したい」と口にした。試合内容は満足いくものではなかったが、夏・冬の2冠へ向けての及第点となるスタートは切れた。

 準々決勝は23日に西が丘サッカー場で行われ、今夏の総理大臣杯全日本大学サッカートーナメントの決勝で3-2で勝利した中京大と再び対戦する。

[写真]前線へ果敢に仕掛けるFW奥村

(取材・文 片岡涼)

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