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[大学選手権]中京大が“カメレオンサッカー”で関西王者撃破!!

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[12.18 全日本大学選手権1回戦 中京大2-0阪南大 栃木グ]

 第59回全日本大学サッカー選手権が18日に開幕し、関東各地で1回戦が行われた。今夏の総理大臣杯全日本大学サッカートーナメントで準優勝の中京大(東海2)と関西王者の阪南大(関西1)の一戦は中京大が2-0で勝利した。

 “カメレオンサッカー”で手にした勝利だ。今夏の総理大臣杯では、守備をベースとした戦い方を徹底。試合中に3度、4度もシステムを変更して相手を翻弄。自陣に引きこもり、素早いカウンターに徹する戦いで準優勝を手にした。しかし、今回の全日本大学選手権では、関西学生リーグで爆発的な攻撃力を誇った“関西王者”阪南大をまさかの攻撃力で迎え撃った。そこに夏の戦い方の影はなかった。

 夏とは大きく異なるチームスタイルに西ヶ谷隆之監督は「中京大は引いてばかりじゃないですよ!と。あれは大臣杯用。今回は冬なので運動量も落ちないし、色んなやり方がある。相手によって色々考える。カメレオンです」と満足げに話した。対戦相手によって自由自在にチームスタイルが変えられるのが今季の中京大の強みだ。

 試合は前半24分、FW齋藤和樹(4年=清水商業高)のパスを受けて、FW藤牧祥吾(3年=清水ユース)が右足でシュートを蹴り込み、先制点を決めた。さらには同30分、相手DFのボールをMF石原卓(2年=横浜FMユース)が奪うと、最後は齋藤が左足でシュートを決めた。一気に2点のリードを奪うと、その後は危なげなく試合を進めた。

 後半30分過ぎには攻め込まれる時間もあったが、元Jリーガーが2人いる最終ラインは簡単には崩されない。DF中田智久(3年=神戸)を中心に落ち着いたラインコントロールを見せ、左サイドではDF須崎恭平(1年=磐田)がオーバーラップ。ピンチを一転チャンスにし、阪南大にリズムを作らせなかった。
 
 23日に行われる準々決勝は、総理大臣杯・決勝で2-3で敗れた駒澤大が相手となる。「サッカーは戦いの場であるし、挑戦の場でもある。そんな中でも楽しませてあげたい。次は駒澤相手に選手たちは勝手にモチベーションも上がるし、胸を借りるつもりで戦いたい」と西ヶ谷監督は意気込んだ。

 「胸を借りるつもりで」と謙遜したが、駒澤大相手にどのようなサッカーで挑んでくるか、全く分からないのが怖いところ。夏のように守備一貫か、あるいは今回のように攻撃力で挑むのか。

 一方、敗戦した阪南大は前半17分に、中盤の要でもあるMF棚橋雄介(4年=東福岡高)が負傷交代したのが痛かった。MF井上翔太(3年=東福岡高)やMF井手口正昭(4年=東福岡高)を中心に、ショートパスをつないで展開していったが、ゴールまでたどり着けず。中京大の守備陣にことごとく跳ね返されると、関西学生リーグでみせた攻撃力を見せ付ける場面もないままに、シュート3本で終わってしまった。

 さらには試合を通してレフェリーにイラ立つ場面が多く見られ、後半10分にはMF今村虹陽(3年=守山北高)が立て続けに警告を受けて退場。後半ロスタイムには、井手口がラフプレーで一発退場。互いのベンチからスタッフ、選手が飛び出すなど一触即発の雰囲気のまま試合は終わった。本来の力を出し切れず、悔しい結果で関西王者が大会を去ることになってしまった。

[写真]2点目を決めたFW齋藤

(取材・文 片岡涼) 

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