beacon

[大学選手権]藤枝東出身の親友対決!筑波大が準決勝進出の権利手に

このエントリーをはてなブックマークに追加

[12.23 全日本大学選手権準々決勝 筑波大2-2(PK3-1)浜松大 平塚]

 親友対決は筑波大の勝利に終わった。ベガルタ仙台への加入が内定している筑波大DF原田圭輔と浜松大MF水野翔介(ともに4年)はともに静岡の名門・藤枝東高出身。試合後、原田に歩み寄った水野は「頑張ってくれ」と告げ、固い握手をかわした。

 全国高校選手権優勝4回の藤枝東に憧れて北海道から静岡へ渡った原田と、静岡県西部から入学した水野は寮となっているビジネスホテル内で高校時代の3年間をともにした。1年からレギュラーで3年時に主将まで務めた原田は年代別日本代表の経験を持ち、大学進学に際しては関東の名門の門を叩いた。一方、高い技術を武器に中盤の一角を担った水野は3年時の全国高校選手権予選ではスーパーサブとして活躍。静岡学園との決勝では貴重な同点ゴールもたたき出す実力者だったが、関東ではなく地元・浜松の新興大学を選択した。

 それでも週1度は必ず連絡を取り合い、水野が東京へ出ることがあれば原田も茨城県内の大学から駆けつけた。同じく藤枝東で3年間をともにした明治大MF山田大記主将(4年、ジュビロ磐田加入内定)を含めた3人は「お互い最後にやれればいい」と期待していたがその通りに大学生活最後の公式戦で原田と水野が激突。優勝候補の筑波大に対し、浜松大の前評判は決して高くなかった。ただ原田が「(水野は)上手さが武器なのに、気持ちが入っててびっくりした」と振り返ったように水野を中心とした浜松大は球際で負けず、筑波大が武器とするパスサッカーでも真っ向勝負を貫いた。

 「(明治大の)山田はケガで出られないし、一番やりたい相手が筑波だった。みんなも勝つという意識をもっていた」と振り返る水野の闘志は特に強く、攻守で力強くチームをけん引した。4年生の思いに引っ張られた浜大は2度のリードを奪い、後半ロスタイムまで2-1。だがロスタイムに追いついた筑波大がPK戦を制し、準決勝進出の権利を手にした。水野は「関東のトップレベルのチームとやって、やれないことはなかったし自信になった。でも最後防げていれば・・・・・・」。
 
 勝者となった原田は自身のプレーを猛省。本来は思い切りのよい攻守が特長の“筑波の稲妻”だが「きょうは守備も攻撃も中途半端。浜大は東海チャンピオンということで気を緩めていたことは全くなかったけど、自分たちのサッカーもできていなかった」。後半1分に両者は球際で交錯。水野がイエローカードを受けるほど激しい接触により右わき腹を打撲した原田は表情をゆがめながら会場を後にした。この日、前年王者の明治大も高知大に敗れ、同級生で勝ち残ったのは原田ひとりに。「(水野、山田の思いも背負うことになるが)まずは自分。(関西大との)準決勝はまずは自分がちゃんとやることに集中したい」と力を込めた。

[写真]ともに藤枝東出身の親友対決。浜松大MF水野(左)と筑波大DF原田
(取材・文 吉田太郎)
第59回大学選手権特集

TOP