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名古屋から戦力外通告の杉本が号泣、「また戻ってきたい」

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[12.25 天皇杯準々決勝 鹿島2-1名古屋 カシマ]

 ピッチに崩れ落ちた。戦力外通告を受け、今季限りで名古屋グランパスを退団するFW杉本恵太は試合後、しばらく立ち上がることができなかった。「両足をつって走れない状況で、なおかつ負けて……。起き上がりたくなかったというのが素直な気持ちだった」。チームメイトのDF増川隆洋、MF中村直志に両脇から抱き抱えられるようにして立ち上がると、目からは涙があふれた。

 「チャンスもあったし、そこで僕が決めていれば勝っていた。今日は全部僕のせい。正直、このチームでもっとやりたかった」。流通経済大から05年に名古屋に入団。6シーズンを過ごしたクラブでは「下から上まで全部経験できた」。1年目はリーグ14位。苦しい時代をへて今季は初のリーグ優勝に輝いた。優勝を決めた11月20日の湘南戦(1-0)では決勝点をアシスト。「優勝するチームはこういうチームなんだなということを実感できたし、充実した6年間だった」と振り返った。

 杉本をめぐっては甲府、徳島、熊本が獲得を狙っているとされる。「いろいろ話があって、考えているところだけど、自分がためになるクラブに行きたい。優勝するチームはこういうものなんだっていうのを注入して、自分たちがそこに向かっていけるように、上を目指していきたい」と力を込めた。

 「もっともっと努力して、ステップアップして、選手としてまたここに戻ってくることを目標にやっていきたい。戦力外になった選手が戻ってくるなんて普通は考えられないけど、それを信じてやっていきたい」。いつか再び名古屋へ。サポーターとの再会を誓い、杉本が新天地での挑戦に飛び出す。

(取材・文 西山紘平)

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