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清水は今季初出場のGK山本海が1年前のリベンジ果たすPKストップ

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[12.25 天皇杯準々決勝 清水1-1(PK5-4)山形 アウスタ]

 清水エスパルスは今季公式戦初出場となったGK山本海人が1年前の“リベンジ”となるPKストップを見せ、2年連続の準決勝進出を果たした。

 0-0のまま突入した延長戦で1点ずつを取り合い、勝負はPK戦にもつれ込んだ。互いに1人目が決め、先攻の山形2人目のキッカーはMF佐藤健太郎。これを山本海が見事に足でセーブすると、最後は日本代表FW岡崎慎司がしっかりゴール左に決め、5人全員が成功した清水が山形を振り切った。

 清水によると、PKセーブについて山本海は「リーグ戦では滅多にないことなので、気持ち良かった」と胸を張った。昨年の天皇杯準決勝・名古屋戦もPK戦となり、名古屋5人目のFW杉本恵太のキックはクロスバーに当たったが、跳ね返りがジャンプしていた山本海の背中に当たって、まさかのゴールイン。この結果、清水は準決勝敗退となり、山本海とすれば、悔やんでも悔やみきれない幕切れだった。

 「今日は1年間頑張ってきたことを証明する舞台にもしたかった」。今季はここまで公式戦出場の機会が1試合もなかった。ところが、正GKの西部洋平がリーグ最終節のG大阪戦で第一腰椎横突起骨折を負い、離脱。代役候補のGK武田洋平も故障を抱える状態だったため、最後の最後で山本海に待望のチャンスがめぐってきた。

 自身にとって1年前のリベンジを果たすPK勝利は、チームにとっても大きな意味を持っている。6年間指揮を執った長谷川健太監督の退任が決まり、西部のほか、MF伊東輝悦、DF市川大祐、FWヨンセンら選手の多くも今季限りで退団する。今のチームで少しでも長く戦うために、そして悲願のタイトルを勝ち取るために、まずは29日の準決勝でG大阪の3連覇の夢を打ち砕く。

(文 片岡涼)
第90回天皇杯特設ページ

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