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[大学選手権]日本一の座をめざす中京大“21歳のパパ選手”

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[12.26 全日本大学選手権準決勝 高知大1-2中京大 平塚]

 「子どものためにも日本一になります!」そう意気込んだのは中京大のDF須崎恭平(1年)だ。

 中京大の守備の要として、4バックの時は左SB、3バックの時は左サイドのストッパーとして活躍をみせている。安定した守備でことごとく相手の攻撃を跳ね返し、絶妙なタイミングで攻撃参加を見せるとチャンスを演出。攻守に渡って欠かせない存在だ。

 そんな須崎は元Jリーガー。08年に磐田に入団。しかし、ケガに泣かされたこともあり、出場機会を得ることはできず。09年7月には岐阜へレンタル移籍するも、わずか6試合の出場に留まった。そして今年度、磐田を退団して中京大に進学。21歳ながら大学1年生として「磐田にいたときよりも成長したい」とサッカーに取り組んでいる。

 実は須崎には、7月28日に息子が誕生。21歳の大学1年生でありながら、家に帰れば生後5ヵ月の1児の子どもを持つパパなのだ。

 これまで、須崎は日本一のタイトルとは縁が無い。高校3年生時のクラブユース(U-18)選手権・決勝ではG大阪ユースに2-4で敗れて準優勝。今夏の総理大臣杯全日本大学サッカートーナメントでも駒澤大に2-3で敗れて準優勝に甘んじた。パパとなった今こそ、日本一のタイトルを獲得したいところだろう。

 この日は決勝進出を決めて「前半を最小失点で折り返せたことが良かった」と試合を振り返ったが、自身の出来については「自分はここまで何もしていないので決勝では頑張らないと」と反省していた。

 異例の“大学生パパ選手”として、「めっちゃかわいいっす」と話す子どものためにも、決勝の舞台・国立での活躍に期待がかかる。

(取材・文 片岡涼)
第59回大学選手権特集

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