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健太体制有終の美へ、清水が3発快勝で5大会ぶり決勝へ

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[12.29 天皇杯準決勝 清水3-0G大阪 エコパ]

 天皇杯は29日、各地で準決勝を行い、静岡・エコパスタジアムでは清水エスパルスガンバ大阪が対戦。FWヨンセンの2得点などで清水が3-0と快勝し、5大会ぶりの決勝進出を決めた。決勝は来年1月1日、国立競技場。01年大会以来、9大会ぶりの頂点を目指す。

 長谷川健太体制、悲願の初タイトルへ王手をかけた。まずは前半19分だ。MF小野伸二からのパスに抜け出したFW藤本淳吾が右サイドで1対1を仕掛ける。正確なクロスにFWヨンセンが頭で合わせ、幸先良く先制点を奪った。

 さらには前半28分、左サイドを抜け出した藤本が小野とのワンツーからゴール前へ折り返す。GKが触ったこぼれ球にMF兵働昭弘が走り込み、左足を一閃。豪快に追加点を叩き込んだ。

 後半に入っても清水の勢いは止まらない。後半16分、またしても藤本の右クロスにゴール正面でヨンセンが頭で合わせ、ダメ押しの3点目。2点リードで折り返したハーフタイムには「試合はここから」と表情を引き締めていた長谷川健太監督も大きなガッツポーズを見せた。その後も果敢に攻める清水は藤本のシュートがポストを叩くなどチャンスをつくり続け、G大阪の追撃を許さず、そのまま3-0で逃げ切った。

 小野は試合後のインタビューで「リーグ戦の最後で(G大阪に)3-0でやられていたし、リベンジできて良かった」と笑顔を見せ、「相手の裏をいかに使うかというのを考えた。相手の嫌なところ嫌なところを突けていけたと思う」と3発快勝に納得の表情だった。

 清水は6年間指揮を執った長谷川監督の退任が決まり、GK西部洋平、MF伊東輝悦、DF市川大祐、DF青山直晃、FWヨンセンら選手の多くも今季限りで退団する。藤本、FW岡崎慎司、MF兵働昭弘、MF本田拓也にも移籍の可能性が取り沙汰され、来季は指揮官の交代とともにチームが大きく様変わりする可能性もある。

 清水が天皇杯で決勝に進出するのは、くしくも長谷川監督の就任1年目だった05年大会以来だ。当時は決勝で浦和に敗れ、タイトルへあと一歩届かなかった。その後の6シーズン、チームは指揮官の下、リーグ戦で上位争いするまでに成長し、08年のナビスコ杯では決勝まで勝ち進んだが、ここでも大分に敗れ、準優勝に終わった。健太体制の集大成となるラストマッチ。悲願のタイトル獲得へ、元日決戦を制し、有終の美を飾るつもりだ。

(文 片岡涼)
第90回天皇杯特設ページ

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