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[選手権]“11人全員が本田圭佑だった”星稜が徳島商を下し、初戦突破!!

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[12.31 全国高校選手権1回戦 星稜2-0徳島商 江戸陸]

 第89回全国高校サッカー選手権の1回戦が31日に、各地で行われた。東京・江戸川区陸上競技場では、星稜(石川)と徳島商(徳島)が対戦。星稜が2-0で勝利した。

 日本代表MF本田圭佑の母校である星稜は、12月上旬の4日間、ロシアから帰国して自主トレーニングに励んでいた本田とともに練習を行った。そこで選手たちは、本田から味方のFKの時の壁の作り方、蹴り方を教わり、それが今試合でのファーストチャンスにつながった。

 前半3分、MF芦野翔斗(3年)が左サイドでドリブル突破したところを倒され、FKを獲得。本田に習った通りに立ち位置を考え、壁を作り、コースを狙った。芦野が自ら蹴ったボールは、惜しくもクロスバーを叩いたが、その後も星稜がチャンスをつくった。

 同16分には、MF丸岡昌平(3年)のマイナスの左クロスにFW竹本将太(3年)が頭で合わせるが、徳島商のGK福山直弥(3年)の好セーブに阻まれた。

 しかし、前半34分にようやくゴールが生まれた。左CKからのゴール前混戦、丸岡の浮き球のパスをFW中野春樹が頭で流し、最後はDF河浪啓介(3年)が頭で押し込んだ。相手DFが必死にクリアしたが、既にゴールラインを割っており、待望の先制点が決まった。

 後半に入っても中野や芦野らがPA外からミドルシュートを放つなど、貪欲にゴールを狙っていった。守っては、河浪が相手のエースFW小巻友希(3年)を封じ込め、得点を許さない。後半22分には、徳島商FW長尾善公(3年)にフリーでミドルシュートを打たれるが、これはポストに救われた。

 その後も幾度か細かいパスのつなぎから、PA手前まで進入され、ピンチを迎えたが、守備陣が体を張って守りきった。そして後半27分、MF井田遼平(1年)の右クロスを芦野が頭で押し込み、追加点を決めた。終盤にも攻め込まれる場面があったが追撃を許さず、星稜が完封勝利を収めた。

 試合後、星稜の河崎監督は「チャンスがあれば打とうとしていたのは良かったが、どんどん遠くからシュートを打って、11人全員が本田圭佑だった。遠いから入らないのに……」と苦笑い。それでも「(本田と)一緒に練習して、ゴール前での貪欲さとかで影響された。ゴールシーンもそういうのが表れていた」と笑顔で試合を振り返った。

 今大会の目標について河浪は「本田選手がいたときのベスト4をめざしながら、一戦一戦しっかり戦いたい」と話した。年明け2日に行われる2回戦では、初出場ながら初戦突破を果たした駒澤大高(東京)と対戦する。

(取材・文 片岡涼)
(写真協力 『高校サッカー年鑑』)
【特設】高校選手権2010

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