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[MOM375]鹿島学園FW近藤直幸(3年)_“スーパーゴールよりもうれしい”ダイブH弾!

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[12.31 全国高校選手権1回戦 鹿島学園 2-1 大分鶴崎 等々力]

 “自分らしい”形で決めた。2年ぶり出場の鹿島学園(茨城)の背番号9、FW近藤直幸(3年)は1-0の後半34分、MF請川順也主将(3年)が送ったライナー性の右クロスに頭から飛び込むダイビングヘッド。会場も沸いた渾身の一撃でチームの勝利を決定付けた。「きょう小学校のときのコーチが来てくれているんですけど、『どんなに難しいボールにも飛び込んでいけ』と言われてきた。自分は足よりも頭で突っ込んでいく。頭からいこうと思った」。元日本代表FW中山雅史(札幌)のように、ゴールへの情熱を感じさせる一撃を叩き込んだ。

 この日、勝利の立役者となった近藤は選手権茨城県大会のヒーローでもある。11月14日に行われた茨城県大会決勝(対ウィザス)。近藤は前半ロスタイムに請川主将からのループパスを受けると、胸トラップしてからボールの落ち際を右足で叩く鮮やかな先制ゴール。さらに後半にはゴールの右外側から中へ落とす華麗な右足コントロールショットをゴール右隅に突き刺した。
 県決勝でのスーパーゴール2発で優勝の立役者となっていた近藤。県予選での華麗なゴールと全国初戦で決めたダイビングヘッド、どちらが自分にとってうれしいか、という難しい問いに対して「あのゴールもキレイに打てたシュートでしたけど」と一瞬悩みながらも「きょうのゴールは自分の形。これが得意な形です」と泥臭く決めたこの日の一撃を喜んだ。

 鈴木雅人監督はマン・オブ・ザ・マッチについて迷わず近藤を指名。「今すごく成長してきている」と目を細めた。後半15分には相手DFとの1対1を華麗に抜き去り、弾丸ショットを放ったほか、CB小野健太(3年)が決めた先制ゴールも近藤の右足から生まれたものだった。先制弾は近藤が右サイドのスペースを突いて放ったポスト直撃の右足シュートのこぼれ球が、小野の前に転がったもの。背番号9は初戦で技とパワーを存分に見せ付けた。
 2回戦の相手はこの日6ゴールを挙げた滝川二。強敵だが、成長中のストライカーは真っ向から打ち合いに挑み、相手ゴールに泥臭い形でのゴールを見舞う。

[写真]鹿島学園FW近藤直幸(写真協力 『高校サッカー年鑑』)

(文 吉田太郎)
【特設】高校選手権2010

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