beacon

[選手権]前回初戦10発の神村学園、初の初戦敗退

このエントリーをはてなブックマークに追加

[12.31 全国高校選手権1回戦 前橋育英4-1神村学園 柏の葉]

 鹿児島の雄が初戦で消えた。初出場の06年度大会でいきなりベスト4と躍進し、前回大会も初戦で圧巻の10発(中京大中京に10-2)を叩き込むなどベスト8進出を果たした神村学園(鹿児島)。2年連続3度目の選手権は、初の初戦敗退となった。

 「相手にポゼッションされて、なかなか攻撃的なサッカーができなかった」。MF小谷健悟(3年)はそう言うと、うつむいた。

 最初の決定機は神村学園にあった。前半6分、FW平山龍之介(3年)の絶妙なスルーパスにMF永冨弘之(2年)が抜け出したが、フリーで放ったシュートはゴール右に大きく外れた。同16分にも1本の縦パスで小谷がDFラインの背後を取ったが、DFをかわそうとPA内で切り返したところで相手GKにボールを抑えられた。

 すると、前半20分、27分に連続失点。同35分、相手の中途半端なクリアボールを拾った小谷が鋭いスルーパスを通し、平山が1点を返すと、後半開始からスーパーサブのFW福島遼(3年)を投入したが、前がかりになったところでカウンターを食らい、逆に2点を追加された。

 「相手のDVDを見て、裏が空くのは分かっていた。裏に抜けてカウンターのチャンスを待っていた」と小谷は言う。小谷、平山、FW野嶽惇也(1年)が前線を流動的に動き、縦に早いパスからスペースを突く攻撃は迫力があった。しかし、立ち上がりの決定機に決め切れなかったことが最後まで響いた。

 「全力を出し切ったつもりだけど、勝ちにつながらなかった。今まで以上にいい攻撃はできた。でも、相手の方が1枚上だった」。悔しさを押し殺し、敗戦を受け止めた小谷。あまりにも早過ぎる幕切れだった。

[写真]3度目の出場で初の初戦敗退。神村学園の選手ががっくりとうなだれる

(取材・文 西山紘平)

【特設】高校選手権2010

TOP