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[選手権]大ケガ乗り越え8ヵ月ぶり先発、室蘭大谷・小玉に運も味方したゴール

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[12.31 全国高校選手権1回戦 室蘭大谷2-0四日市中央工 柏の葉]

 大ケガを乗り越えて戻ってきた男にサッカーの神様も微笑んだ。1-0の後半6分、室蘭大谷(北海道)は左サイドのショートコーナーからMF小玉翼(3年)が左足でクロス。「早いボールを入れようと思った」というキックはゴール方向に流れ、前に出ていたGKが必死に戻るも間に合わず、そのままゴールニアサイドに吸い込まれた。

 「シュートではないです。クロスが入って、ラッキーでした」。照れ笑いを浮かべた小玉だが、ここまでの道のりは苦しく、険しかった。

 今年4月に左ひざ半月板を負傷。しばらくはだましだましプレーを続けてきたが、結局、6月に手術を受けた。その後は長いリハビリ生活。選手権道大会が始まり、なんとか復帰にこぎつけたが、30分の限定出場で準決勝、決勝に途中出場したのみ。公式戦での先発は5月8日のプリンスリーグ第2節以来、約8ヵ月ぶりだった。

 「最後は体力的にきつかったけど、粘り強く跳ね返せた」。ダブルボランチの一角で80分間フル出場。攻守に貢献した168cmのダイナモに及川真行監督も「小玉は1年間ずっとケガで苦しんできた。フルで出られてよかった」と手放しで喜んだ。

 完全復活を告げるフル出場&1得点。「もう少し体力面を付けて、次もいい準備をしたい」。コンディションはここから上がっていくだけ。先制点のMF石川勝智(3年)とともに、波に乗るダブルボランチが室蘭大谷を牽引していく。

[写真]後半6分、追加点を決めたMF小玉翼(左)の頭をMF石川勝智がなでる

(取材・文 西山紘平)

【特設】高校選手権2010

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