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[選手権]野洲PK戦で激戦制す! 松商学園『悪夢の4分間』

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[12.31 全国高校選手権1回戦 松商学園5-5(PK3-4)野洲 フクアリ]

 第89回全国高校サッカー選手権は31日、各地で1回戦を行い、フクダ電子アリーナ(千葉)では野洲(滋賀)が松商学園(長野)に5-5からのPK戦の末、4-3で勝利した。11年1月2日の2回戦は立正大淞南(島根)と対戦する。

 どちらかといえばサッカー後進県の代表が、日本トップクラスの名門相手に大健闘した。それも、かつては「県内でしか通用しない」と揶揄された『放り込みサッカー』ではなく、主体的にボールを動かすスタイルで――。 

 試合後、松商DF高沢浩幸は「監督からは3年間で最高の試合だったと言われました」と語った。そしてFW土井亮祐(3年)は「チームの皆に100点あげても良いくらいです」と――。

 野洲のスタメンのうち3年生は2人だけ(1年生は5人)。『若さ』ゆえの緊張感がプレーに影響してしまったのかもしれない。U-16日本代表MF望月嶺臣(1年)、MF高野登志基(1年)らを中心にパスをつなぐ『ポゼッション重視』のサッカーを展開したが、リズム感に欠け、ミスも散見した。対する松商はスタメンのうち3年生が8人。積極的なプレッシングでボールを奪って、カウンターを狙うスタイルで対抗した。そして、『あわや勝利』というところまで野洲を追い詰めた。

≪得点経過≫
[前半]
28分 1-0(松商:FW清水庸平=3年)
33分 1-1(野洲:DF平山晃大=2年)
35分 2-1(松商:FW清水庸平=3年)
[後半]
1分 3-1(松商:FW土井亮祐=3年)
*後半開始直後。DF高沢からの絶妙なクロスを的確に合わせた“完璧な形”。

16分 4-1(松商:DF高沢浩幸=3年)
*土井のシュートが高沢に当たってコースが変わった。野洲GK松原篤志(3年)らすれば、為すすべがない失点。

17分 4-2(野洲:MF望月嶺臣=1年)
33分 4-3(野洲:FW美濃部寛貴=3年、主将)
34分 5-3(松商:FW土井亮祐=3年)
39分 5-4(野洲:FW加藤臣哉=2年)
40分+3 5-5(野洲:FW村松隆晴=3年)

 野洲の5点目を決めた村松は後半7分に、3点目を決めた美濃部は同28分に交代出場した。3年生の意地を見せつけたということか――。松商にとっては、アディショナルタイムが約4分間もあったことも不運だった。

[写真]PKをセーブされて、うずくまる松商FW田中友幸(3年)と勝利を歓喜する野洲選手たち(奥)
(取材・文 木次成夫)
【特設】高校選手権2010

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