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[選手権]滝川二、鹿島学園を撃破。2戦合計10得点とFW陣が爆発

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[1.2 全国高校選手権2回戦 滝川第二4-1鹿島学園 西が丘]
 
 第89回全国高校サッカー選手権の2回戦が2日に各地で行われ、東京・西が丘サッカー場では滝川二(兵庫)と鹿島学園(茨城)が激突した。前半は1-1で折り返したが、1回戦の駒場(東京A)を6-1で下した滝川二の“ダブル・ブルドーザー”がまた爆発。後半にFW浜口孝太(3年)が2得点、FW樋口寛規(3年)が1得点し4-1で3回戦に駒を進めた。

 立ち上がり、滝川二がラッキーな形で先制点を奪った。前半2分、右からのロングスローから、最後はゴール前の混戦でボールを拾ったFW白岩涼(3年)が左足で蹴り込み、ゴールネットを揺らした。このまま滝川第二がリズムに乗るかと思われたが、鹿島学園は前線からの積極的なプレスでボールを奪い、速攻でリズムをつかむ。そして同8分、同点に追いついた。

 FW近藤直幸(3年)が鋭いドリブル突破からPA内左に侵入し、中へスルーパス。これを3列目から飛び出してきたMF石倉央基(3年)がきっちりとゴールネットを揺らして1-1の振り出しに戻した。これで鹿島学園がペースをつかみ、セットプレーから好機を作り出した。

 前半14分、右後方のFKからMF石川佳史(3年)がヘディングシュート。ドンピシャだったが、これはGK中尾優輝矢(3年)の正面を突いた。さらにその1分後、CKのこぼれ球から近藤がシュート。ゴール内に飛んでいたが、ライン上で相手DFのクリアされた。このクリアがミスになりクロスバーの下に直撃したが、運もなくゴールインせず。「何点かいい形があった。前半のセットプレーですが、最後のところを決められるように精度を上げていかないといけない」と鈴木雅人監督が試合後に振り返ったが、これが鹿島学園にとって最後まで尾を引いた。

 滝川二は1回戦同様に樋口がボランチの位置で先発したが、この日は前半15分すぎから本来のFWの位置に入って攻勢を狙った。しかし、前半は1-1のままで折り返した。後半は開始から樋口&浜口の“ダブル・ブルドーザー”が2トップを組んだが、栫裕保監督の期待通りに火を噴いた。

 「後半少し、体力が落ちてしまった。もっと走らないと行けなかった」と鹿島学園の主将MF請川順也(3年)が振り返った通り、前半からハイプレスをかけ続けた鹿島学園の運動量が落ちた中、そこを2人が見逃さなかった。

 後半19分、駒場戦でハットトリックを成し遂げ、誕生日も同じであることから“岡崎慎司2世”として存在を知らしめたFW樋口寛規(3年)が、PA内で横パスを受けて反転右足シュート。これは相手GKに阻まれたが、こぼれ球にFW浜口孝太(3年)が反応して押し込んだ。背番号11の2試合連続弾で勝ち越しに成功した。

 さらに後半26分にはゴール前の混戦から相手のハンドでPKを奪い、これを樋口がきっちりと決めて3-1とした。そして同38分には、左サイドでパスを受けた浜口が中へ仕掛け、左45度から右足でカーブをかけてゴール右に突き差し4-1とダメを押した。鹿島学園も最後まであきらめない姿勢を見せたが、滝川二が難なく逃げ切った。

 滝川二は2戦合計10得点と、2回戦を終えての大会最多得点とした。初戦の3得点に加えて1得点したFW樋口、2戦連続2得点を果たしたFW浜口ともに計4得点とまさにFW陣が絶好調にある。昨夏の全国高校総体でも2人はともに4得点して準優勝の原動力になってるが、今度はそれ以上の得点を決め、悲願の優勝に導くつもりでいる。3回戦の相手は同じく優勝候補の青森山田(青森)となったが、攻撃サッカーで勝利を目指す。

[写真]PKを決めた背番号10・樋口
(写真協力 『高校サッカー年鑑』) 

(取材・文 近藤安弘)

【特設】高校選手権2010

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