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[MOM394]駒澤大高GK岸谷紀久(3年)_開幕戦に続いてチームを救ったPKストッパー

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.2 全国高校選手権2回戦 星稜0-0(PK2-4)駒澤大高 柏の葉]

 PKなら負ける気がしない。駒澤大高(東京B)のGK岸谷紀久(3年)がまたもゴール前に立ちはだかった。

 0-0のまま突入したPK戦。先攻の星稜3人目のキックはゴール上へ。「応援がすごくて、3本目は応援が止めてくれた。次は自分が絶対に止めようと思った」。3-2とリードして迎えた4人目。MF芦野翔斗(3年)のキックは今度こそ自ら体を張ってセーブした。

 「コースも甘かったので、落ち着いて弾けた。でも、みんなが全部決めてくれたから勝てたと思う」。駒澤大高は4人全員が成功。5人目を待たずにPK4-2で勝利を決めた。

 昨年12月30日、大津との開幕戦。2-1と勝利目前の後半ロスタイムにPKの場面を迎えた。絶体絶命のピンチ。ここでも岸谷がスーパーセーブを見せ、チームを全国初勝利に導いた。

 2試合連続のヒーローは「PKは得意ですね。小学生のころからPKは好きだった」と言う。昨年6月の関東大会1回戦・日大藤沢戦も0-0のままPK戦にもつれ込んだが、相手が1本外し、岸谷も1本セーブ。2回戦進出の立役者となった。

 「あれで少し自信になった」という岸谷だが、続く2回戦・西武台戦は先発の座をGK斉藤正樹(2年)に譲った。チームも2-7の大敗。「自分はその試合に出てなかったけど、チームとして2回戦は特別な試合だった。そこを意識して戦った」。大野祥司監督のゲキもあり、初戦勝利に浮かれそうになっていたチームは気を引き締め直し、“2回戦の壁”も突破した。

 3回戦の相手は前回大会王者の山梨学院(山梨)だ。難しい試合になるのは間違いない。しかし、2戦連続のPKストップで波に乗る守護神がいれば、みたび番狂わせが起きても不思議ではない。

 「山梨学院のGKコーチは僕が中学時代に教わっていたGKコーチなんです。自分にとっては特別な試合。自分が成長した姿を見せたい」。相手が王者でも関係ない。岸谷は強烈な恩返しとなる勝利を誓っていた。

[写真]4人目のキックを止め、ガッツポーズを見せるGK岸谷紀久

(取材・文 西山紘平)

【特設】高校選手権2010

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