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[選手権]初芝橋本下した尚志が2年連続3回戦進出

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[1.2 全国高校選手権2回戦 初芝橋本 0-3 尚志 埼玉]

 埼玉・埼玉スタジアム2002で開催された第89回全国高校サッカー選手権2回戦の第2試合は初芝橋本(和歌山)と尚志(福島)とが対戦。尚志が3-0で勝利した。

 共に攻撃力が持ち味のチームということで、前半から激しいカウンター攻撃の応酬となり、5分には初芝橋本FW坂本修佑(3年)のシュートがポストを叩く場面があった。その直後の6分、今度は右サイドハーフに入ったFW渡部圭祐(3年)のクロスからニアにいたFW鈴木拓磨(3年)がヘディングシュート。こちらは決まって尚志が先制した。その後も両チームは高い攻撃力を生かし積極的に攻めたが得点はなく、1-0と尚志リードで前半を終えた。

 後半立ち上がりは追い上げたい初芝橋本が何度かチャンスを作ったが、尚志も負けじと波状攻撃を仕掛けた。後半7分、決定機を作った後のクリアボールを右サイドで拾った渡部がクロス。ニアでヘディングしたFW川辺祥太(3年)が潰れ役となって外側に流すと、ファーサイドに飛び込んだMF湯浅秀紀(3年)が左足でゴールに押し込み、尚志が貴重な追加点を挙げた。

 勢いに乗った尚志は後半19分に決定的な3点目を挙げる。相手DFラインの裏に抜け出した渡部が左サイドからクロス。ファーサイドに飛び込んだMF細野峻(3年)のシュートはバーに当たったが、跳ね返ったボールを川辺がヘディングでゴールに押し込んだ。初芝橋本もその後反撃を試みたが、後半32分にFW西岡舜(3年)が退場し万事休す。その後は尚志が危なげなく試合を運び、3-0と快勝。2年連続の3回戦進出を決めた。

 理想的な試合運びで快勝した尚志・仲村浩二監督は「ボールを奪われた後奪い返すということが相手にとってかなり効いていてそれが勝ちに繋がった。相手は攻撃力がすごく高くて2トップがすごい選手だった。彼らを抑えるというより、うちも得点力があるのだから、得点してしまおう」と、最初から守備も攻撃もアグレッシブに行ったことが勝因と語った。持ち前の攻撃力を生かして3得点を挙げた上に、攻撃力のある初芝橋本を無失点に抑えたことについては「DFの中川航太(3年)が後半はヘディングも負けなくなって意地を見せてくれた。成長してくれた」と守備陣の頑張りも讃えた。全得点の起点となった渡部も「相手の攻撃は強かったが、自分たちの実力を出せたので勝てた。攻撃力は自分たちも自信があったので負けられなかった」と、尚志が今まで積み上げたサッカーに自信を持って戦えたことに満足げだった。

 勝利した尚志は1月3日、NACK5スタジアム大宮にて関西大一と対戦する。「ベスト8、ベスト4と上に行くことだけを考える。関西大一はものすごく走ってくる高校生らしい好感の持てるチームなので、うちもそれに負けないくらい走って勝ちたい」と仲村監督は早くも関西大一戦に闘志を燃やした。昨年のベスト16を超える過去最高の成績を目指し、尚志は走り続ける。

(写真協力 『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 小林健志)
【特設】高校選手権2010

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