[1.2 全国高校選手権2回戦 羽黒 1-3 関西大一 NACK]

　第89回全国高校選手権大会は2日、各地で2回戦が行われ、NACK5スタジアム大宮の第1試合では2年連続4回目の出場となった関西大学第一(大阪)が3年ぶり4回目出場の羽黒(山形)を3ー1で退けた。

　試合はいきなり動いた。開始1分、中央やや左でFKのチャンスを得ると、MF梅鉢貴秀主将(3年)が蹴ったボールをFW井村一貴(3年)がバックヘッド気味に流し、関大一が先制点を奪った。

　ファーストプレーでリードを奪った関大一。これで波に乗るかと思われたが、「相手のサッカーがわからないうちに点が入って、逆に浮き足立ったところがあった」(佐野友章監督)とロングボール一辺倒の単調なサッカーをしてしまい、自らブレーキを踏んでしまう。

　一方の羽黒はボールを奪うとFWソウザ・パウロ(3年)にボールを集め、スペースを使いながら素早い攻撃を仕掛けようとする。しかし、ソウザにボールが収まると関西一の守備陣が複数で囲い込んだため、次の展開に持ち込むことができなかった。

　前半は互いにボールを蹴り合う時間が長く、どちらも流れのなかからチャンスらしいチャンスはほぼ作れなかった。

　ところが、後半に入ると「早くボールをつないで相手の裏を取れ」と指揮官から指示を受けた関大一が、前半とは見違えるほどの早い動き出しで立ち上がりから攻勢に出る。そして開始早々から何度もCKのチャンスを得てゴールを脅かすと、10分に待望の追加点を奪った。梅鉢がCKを蹴ると、ゴール前の混戦から最後はDF今井亮介(2年)が押し込んだ。

　もう関大一の勢いは止まらない。20分、カウンターから井村が枠スレスレの惜しいシュートを放つと、23分には井村の落としからMF和田紳平(2年)がポストに直撃する決定的な一撃を見舞う。関大一はその後も何度かチャンスを作ると、39分にトドメの一発。梅鉢が左のMF浅井哲平(3年)に展開し、途中出場のMF徳永雄大(1年)が中央へ折り返すと、ファーに走り込んできた井村が今日2点目となるゴールを左足で決めた。

　見せ場をほとんど作れなかった羽黒も後半ロスタイムにPKを得て、これをソウザが決めたが、時すでに遅し。梅鉢の全得点に絡む活躍で関大一が勝利を収めた。

(写真協力 『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 FBN)

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【特設】高校選手権2010