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[選手権]新潟西、“小兵”2トップの活躍で宇部に快勝

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[1.2 全国高校選手権2回戦 新潟西3-1宇部 江戸川陸上競技場]

 第89回全国高校サッカー選手権は2日、各地で2回戦を行い、江戸川陸上競技場(東京)では新潟西(新潟)が宇部(山口)に3-1で勝利した。3日の3回戦は立正大淞南(島根)と対戦する。

 新潟西は22年ぶり3度目の出場。対する宇部は初出場。フォーメーションは両チームともに4-4-2。中盤で積極的にプレスをかけて、素早く仕掛けるスタイルも、似ていた。一見して、勝敗のカギは、いかにDFラインの裏を突くことができるか。どちらかというと、宇部のDFラインが引く際、統制がとれているものの、時折、前線とのスペースが大きく空くことが気になった。そして結果は……、新潟西の2トップが宇部の弱点を突く快心のプレーを披露した。

 先制点を決めたのは新潟西。前半9分、FW山川翔也(2年)が左サイドから宇部DFラインの裏に走り込んでパスを受け、豪快に左足でシュート。しかし、その2分後、前半11分には宇部MF城野遼(2年)が決めて同点に。

 その後は、フィジカルで上回る新潟西が優勢に進めながらも、得点には至らず、前半終了。シュート本数は、新潟西=13本、宇部=3本。大雑把なシュートも散見したが、勢いの差は明らかだった。

 そして迎えた後半、新潟西は2トップが際立った能力を見せつけた。まずは、後半1分、山川翔がスピードを活かしてDFラインの裏をとってパスを受け、巧みな個人技で2点目。後半20分には、FW吉川武志(2年)が、ゴール正面でパスを受けて、チップキック気味の巧みなシュートを決めた。

 山川翔は167㎝、吉川は165㎝。共に小柄だが、DFラインを破るセンスと、ボールコントロール能力は際立っていた。見方をかえれば、宇部は守備のバランスを修正できなかったということ。宇部のスタメン唯一人の1年生で『1人ボランチ』のMF佐々木智康は健闘したが、チーム全体として、パスの出所を抑えることは、できなかった。山口県立の進学校としては大健闘だったが……。

(写真協力 『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 木次成夫)
【特設】高校選手権2010

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