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[MOM402]作陽MF高瀬龍舞(2年)_チームを救う右足の一撃

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[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.2 全国高校選手権2回戦 佐野日大1-2作陽 NACK]

 2年生にして名門・作陽の舵取り役を託されるMF高瀬龍舞が苦しむチームを救った。

 佐野日大に先制点を許した作陽は相手のミス絡みでMF増田一輝(3年)が同点ゴールを決めたが、その後は劣勢を強いられる時間が続いた。

 そんななか迎えた35分、DF中村翔(3年)の右クロスを逆サイドの増田が胸トラップで落とすと、2列目の高瀬が「絶対に決めようと思って思い切って打った」と右足を一閃。これがゴール右隅に突き刺さり、決勝点となった。

 高瀬はボランチで先発出場していたが、逆転ゴールが生まれる直前にトップ下に配置換えされていた。「高瀬の方がシンプルなパンチ力があるので、一つ前に上げた」。野村雅之監督の期待に対する一発回答だった。

 この一撃でチームを勝利へと導いたが、試合では消える時間が多かった。「こっちがつなごうとしてもチェックが速くてかっさらわれて、チェックにビビってしまった。公式戦だし、ボランチのところで取られると危ないので、100%でやろうとリスクを背負わなすぎた」。セーフティなプレーに終始したことで中盤でリズムを作れず、チーム停滞の一因ともなっていた。

 それだけに自己評価は厳しい。「ゴール以外、何一つやっていない。中盤を支配してゲームを作る。僕から起点に攻撃が始まるといろんな人に言われている」。周囲の期待に応えられなかった自分を責めた。

 作陽進学はユース入りを蹴ってまで選んだ道だった。「サンフレッチェのユースにも受かっていたけど、ユースのコーチに他にどこに受かったんだと聞かれて作陽と答えたら野村さんはすごいと言っていた。ユースの人がそう言うんなら本当にすごいんだと思って選んだ」

 今では作陽を選んだのは正解だったと確信している。「他でやってないからわからないけど、パズル遊びというか考えることが一番大きい。来てよかった」。あとは感謝の気持ちをパフォーマンスで示すだけだ。

「パスサッカーのなかでドリブルしたり、2列目から飛び出したりするのが作陽のサッカー」。次こそ全国の舞台で野村サッカーの神髄を披露する。

[写真]作陽MF高瀬(写真協力 『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 FBN)
【特設】高校選手権2010

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