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[MOM404]前橋育英DF川岸裕輔(3年)_タイガー支える闘魂CB

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[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.2 全国高校選手権2回戦 前橋育英4-0室蘭大谷 フクアリ]

 ボールを弾き返す度に背番号4の口からは怒声にも似た雄たけびのような声が発せられていた。チームメートのMF小島秀仁主将(3年、浦和レッズ加入内定)も「あれは相手のFWもやりにくいと思います」と分析していたが、あふれんばかりの闘志をボールにぶつけていた前橋育英CB川岸裕輔(4年)の奮闘する姿はこの日他を凌駕していた。

 とにかく気持ちを前面に出すCBだ。届かないようなボールにも「ゴールを守る」「ボールを弾き返す」「FWを止める」という強い責任感で喰らいつき、ぎりぎりのところで止めて見せる。空中戦の強さは特に大きな武器。的確なカバーリングを見せる北爪健吾(3年)のサポートを受けた187cmCBは完封。0-0で後半にもつれ込む展開にも「守備でしっかり我慢していれば点取ってくれると信じていた」と1点も許さず役割を果たした。

 試合後その両膝にはアイシングが施されていた。右足は半月板の手術をしていて、左足はじん帯を負傷。決して万全な状態ではない。当然空中戦を競り合う回数を重ねれば重ねれるほど、試合後半は疲労のためにジャンプ力が落ちてくる不安がある。それでも川岸は「やるしかない。不安よりもやる気が上回っています」ときっぱり。タイガー軍団のゴールを死守する意気込みだ。

 3回戦の相手は07年度日本一の流通経済大柏だが川岸は「抑えられる自信はある」。やる気と責任感溢れる187cmCBが次は優勝候補の前に立ちはだかる。

(写真協力 『高校サッカー年鑑』)
(取材・文 吉田太郎)
【特設】高校選手権2010

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