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[MOM409]久御山DF山田修市(3年)_内田+長友÷2が目標のサイドバック

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[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.3 全国高校選手権3回戦 那覇西1-4久御山 ニッパ球]

 「1、2年生の時に戻るんか!」。1-0とリードして迎えたハーフタイムだったが、久御山のDF山田修市(3年)は松本悟監督にカミナリを落とされた。

 前半7分には絶妙な浮き球パスで、先制点をアシストしていたが、守備では安易なパスミスが多く「とにかく前半はふがいなくてチームに迷惑をかけた」と自身も振り返る出来だった。下級生時代に安易なミスを繰り返し、よく松本監督に怒られていたため、この日のハーフタイムに、当時を思い返すような言葉で叱責されたのだ。

 しかし、迎えた後半。すぐに山田は名誉挽回の一撃を相手に見舞った。後半8分、中央から果敢にドリブルで持ち込むとPA手前から思い切り良く右足を一振り。豪快なシュートはゴール右上へ突き刺さった。

 練習試合でも決めたことがないというミドルシュートだが、思い切り良く打てたのには理由があった。それはチームスタッフの中村克裕氏の「どんどん打ってけ」という言葉だった「いつも中村先生が声をかけてくれるので、外したことを気にせずにどんどん打っていける」と山田は話す。

 十分にこの上のカテゴリーでも通用する実力がある山田だが、彼にとって今大会がサッカーをやる最後の舞台。チームトレーナーと病院で働いている母親の背中を見ている内に、理学療法士に憧れ、卒業後の進路は理学療法士の専門学校への進学と決めている。どんなにこの舞台でサッカーが楽しいと思っても、この先続けることはないと「そこは割り切ってます」とキッパリ話した。

 だからこそ、この全国の舞台でも「楽しもうと思って」と久御山のパスサッカーを貫き通し、“楽しく”サッカーをすることを信条に掲げている。目標の選手スタイルについては「上がりは内田篤人で守りは長友佑都」と話し、「贅沢ですかね?」と笑いながら日本代表選手のいいとこ取りを目標に掲げた。

 あと何試合、本気でサッカーに取り組めるか。引退試合をどこまで伸ばすことができるか。最後に山田は笑顔で「次も楽しみます!」と語った。サッカーを楽しみながら、次は4強入りをめざしていく。

(取材・文 片岡涼)
(写真協力 『高校サッカー年鑑』)
【特設】高校選手権2010

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