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[選手権]“岡崎2世”が「本家ばり」のダイブHで4戦連発

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[1.5 全国高校選手権準々決勝 日章学園 0-3 滝川二 三ツ沢]
 
 「岡崎ばりやな」。ハーフタイム、思わず自画自賛の言葉が出た。滝川二のFW樋口寛規(3年)は1-0の前半27分、MF白岩涼(3年)のインターセプトからMF香川勇気(3年)が上げた左クロスをファーサイドでダイビングヘッド。1バウンドしたボールはゴール右隅へと吸い込まれた。
 “岡崎2世”と評価されるFWが見せた、まるで本家のような泥臭い一撃。ハーフタイムにロッカールームに戻ると、2-0というスコアもあってか自分自身を讃えることばが出た。

 本家と顔まで似ていると言われる“岡崎2世”だが、そのスタイルは本家とは真逆だ。頭でのゴールは本人が「頭で決めたのは記憶にない。得意じゃないんで」と振り返り、指揮官も「ダイビングヘッドは初めて見た。頭で決めたのは公式戦初めてじゃないかな」と笑うほど。パワーあふれる右足とトラップ、身のこなしで相手をかわすことのできるハイレベルな技術が目立つ選手で、泥臭く頭から飛び込んでゴールを奪うことはなかった。

 それでも「いいボールが上がってきたんで飛び込むしかない」とダイビングヘッド。右足付け根の負傷を抱えながらのプレーだったが、勝利への姿勢を前面に出してチームを国立競技場で行われる準決勝へと導いた。

 これで4戦連発の6ゴール。立正大淞南(島根)のMF加藤大樹(3年)と1点差の得点ランキング2位につけている。タイトルを十分に視界にとらえているが、一番はチームのための勝利。「国立までこれてうれしいけど、滝二はここで勝っていない。記録超えられるように頑張りたい」。立正大淞南との準決勝、得点王争いのライバルの前でゴールを奪い、チームを初の決勝へと導く。

(取材・文 吉田太郎)
【特設】高校選手権2010

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