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[選手権]準決勝出場停止の久御山CB山本主将「決勝で恩返しする」

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[1.8 全国高校選手権準決勝 流通経済大柏2-2(PK2-3)久御山 国立]

 初の国立・準決勝進出を果たした久御山のベンチには背番号13のユニフォームが掲げられていた。準々決勝で大会通算2枚目の警告を受けて累積警告による出場停止となっていたCB山本大地主将(3年)のものだった。普段は「イジられ役の」リーダーだが、攻撃の起点となるフィードはチームの貴重な武器で最終ラインでの体を張った守りも欠かせないもの。戦力ダウンを強いられたが「大地のため」に戦ったイレブンは、V候補筆頭とのPK戦にまでもつれ込む死闘を制して決勝進出を果たした。

 本来右SBの松下千馬(3年)がCBに入り、2年生CB塚本健介との2人を中心に流通経済大柏の攻撃をギリギリのところで食い止める。中盤ではMF二上浩一(2年)が反応よくセカンドボールを拾っていた。そしてPK戦ではGK絹傘新(3年)がシュート2本をストップする殊勲。この日スタンドで声を枯らした山本主将は「危ないシーンはあったけど、みんなやってくれると思っていた。2点しか取られなかったけど、もっと取られている試合。それでもみんなが踏ん張ってくれたのがよかった」と約束を果たしてくれたチームメートに感謝した。

 試合後「やったったゾ!」「決勝やぞ!」と決勝進出を報告された山本主将は決勝での“恩返し”を約束。「優勝したい。借りを返すというか恩返ししたい」。そして「きょうスタンドで応援して分かったのは、みんな必死になって応援してくれているんだということ。応援団への感謝を忘れずにやりたい」。決勝はコンビを組んできた塚本が累積警告のために出場停止。だが「持ち味のキック、そしてキャプテンとして盛り上げないといけない。後ろから支持していきたい」と誓った主将が「チームメートがつないでくれた」準決勝の思いを込めて、、京都府勢43年ぶりの優勝を懸けた決勝で躍動する。
 
(取材・文 吉田太郎)
【特設】高校選手権2010

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