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ザックに“アジアの洗礼”、「意味のないボールポゼッションが多かった」

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[1.9 アジア杯B組 日本1-1ヨルダン カタールスポーツクラブ]

 これが“アジアの洗礼”か。日本代表のアルベルト・ザッケローニ監督は最後まで険しい表情を崩さなかった。

 「結果には満足していない。特に前半は満足いかない。プレースピードが上がらず、意味のないボールポゼッションが多かった。総括すると、前半の出来は不満、後半はまあまあ満足という印象だ」

 前半から中盤を支配し、ボール支配率では圧倒的に上回った。シュート数も17対7。しかし、決定機らしい決定機はほとんどなかった。10人で守りを固めるヨルダンに対し、単調なボール回しが多く、2人、3人と連動して崩すような動きもなく、効果的な縦パスも少なかった。

 「開幕戦は難しいと思っていたし、相手がスペースを与えてくれないことも予想していた。しかし、プレースピードをもっと上げていかないといけない。チャンスで決め切れず、オウンゴール(公式記録はハサンの得点)を与えて、さらに混乱する戦いを強いられた」

 ゲームが動いたのは後半13分にFW岡崎慎司を投入してから。左サイドで岡崎が起点となり、リズムを変えたが、それでも必死に逃げ切ろうとするヨルダンの牙城を崩せず、後半ロスタイムにセットプレーで追い付くのが精一杯だった。

 「ヨルダンだけでなく、他のチームもこういう戦い方をしてくる。相手次第というよりも我々次第。日本代表が変わっていかないといけない」

 アジア杯だけではない。W杯アジア予選でも、格下の相手が引いて守り、スペースの少ない状況を自分たちで打開し、点を取っていかなければならない。でなければ、過去の日本代表が常に直面してきた「得点力不足」という決まり文句がまたしても表面化してくるだろう。

 これまでアルゼンチン、アウェーの韓国という格上か同等の相手としか戦ってこなかったザッケローニ監督にとって、今回の初戦は良い“教訓”になったはず。シリア戦まで中3日しかないが、どこまでチームを修正してくるか。その手腕にあらためて期待が懸かる。

[写真]日本代表ザッケローニ監督

(取材・文 西山紘平)

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