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日本vsヨルダン 試合後の選手コメント

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[1.9 アジア杯B組 日本1-1ヨルダン カタールスポーツクラブ]

 日本代表は9日、アジア杯グループリーグ初戦でヨルダン代表と対戦。前半45分に先制点を許す苦しい展開となったが、敗色濃厚の後半ロスタイムにDF吉田麻也が起死回生の同点ゴールを決め、1-1で引き分けた。
以下、試合後の選手コメント

●FW前田遼一(磐田)
「センタリングに対して全部遅れていた。一番やってはいけないプレーだったと思う」
―相手のDFラインが思っていたよりも高かった?
「そうかもしれない」
―監督は選手のコンディションが良くないと話しているが?
「僕はコンディションは良かった」
―連係に課題があった?
「分からないです。次、頑張ります」

●FW李忠成(広島)
―後半から入ってかき回していたが?
「そういうところを監督から言われていたし、裏に抜けろと言われて出された。自分の良さは裏にも行けるし、足元でもらってドリブルでも仕掛けられるところだと思うので、自分が裏に抜けることで2シャドーの(本田)圭佑と(香川)真司がドリブルで持ち運ぶスペースが広くなったことはよかったと思う」
―前半からチャンスを決め切れなかったが?
「今日はクロスの精度、最後の詰めが合わなかったと思う。僕らは絶対にできると信じてやっていけば、必ず詰めの部分のクオリティが上がってくると思うので、自分たちを信じてやっていけば優勝できると信じている」
―本田と香川が中に入ることでスペースがなくなった?
「そんなことはない。2人とも個人技があるのであそこで引きつけたときに、自分がフリーになるので、そこでどうボールを引き出すかにかかっていると思う。サイドから崩してからクロスも上がっていたので、そこでどう決めるか」

●FW岡崎慎司(清水)
―負けている状況での投入だったが?
「ああいう形で点を取られることもあると思うし、自分が入ったら積極的にやろうと思っていた。サイドでもらって仕掛けることができた。相手も疲れて守備が雑になっていたし、フリーでもらえることが多かった。(長友)佑都とのコンビネーションで崩そうと思っていた。あとは最後のシュートを決め切ること。みんなが落ち着いて決めていれば勝てる試合だったし、裏に抜ける人が少なかった」
―動きにキレがあったが?
「動き自体は良かった。天皇杯で決勝まで行って、逆にコンディションはいいのかもしれない。チームとしてこういう戦い方に慣れていない。コンビネーションを入れないと、相手は守りを固めているから崩すのは難しい。初戦だったし、先に失点して、やりづらそうだった。これで危機感が出て、どんどんいいゲームができるようになると思う。これからの僕たちを見てほしい」

●MF本田圭佑(CSKAモスクワ)
「引いた相手にこういう結果になったが、それは結果論。このチームがやろうとしているのは、引いた相手をどれだけ崩せるか。これだけ引いた相手に、今日は崩せなかった」
―FKのチャンスもあったが?
「いいところで2回あったんですけどね」

●MF香川真司(ドルトムント)
―前半攻めきれなかったが?
「そうですね。なかなか難しかったですし、攻めあぐねましたね」
―そうなった要因は?
「もうちょっと縦パス増やせると思うし、入ったときのアクション、距離感もまだまだ遠かったり。縦への意識を入れていかないといけないのかなと思います」
―香川選手が縦にボールを出しても周りが反応しないこともあった?
「それは自分のせいもあるし、呼吸もありますけど」
―後半からポジションが変わって、真ん中でやっている時の方が良さが出ていたように見えたが?
「ゴール前でシュートで終われたりというのがなかったので、効果的な崩しもなかった。そこは相手が引いていた分、珍しいくらいチャンスがなかったですけど、そういうところを求められていると思うので、あまり効果的なプレーはなかったと思います」
―サイドと中央では動き方が違う?
「前半からサイドに張っていろと言われたんですけど、張った中でボールを受けたとしても相手ディフェンスがリトリートしてなかなか崩せなかったし、いい状況でもらえなかった。そういう意味で動きながら前半途中からやろうと切り替えたけど、その方がうまくいったので。ただ、後半はサイドがフリーの場面が多かったけど、中の枚数が少なかったり、精度が低かったりで、ゴール前に入っていく枚数がまだまだ少ないと前半から思っていた。もっともっとやらないといけない」
―中央の方がやりやすい?
「やっぱり自由に動けるんで、リズムをつくろうと意識して、その中で自分が入っていこうと意識したんですけど」
―前半の決定機が入っていたら次の失点はなかったかもしれない?
「あれはサイドから中に入ってボランチが上がってきていい形で攻撃できたんですけど、あれは決めないといけない。ワンチャンスというか、この大会はホントに決めなきゃいけないっていうのは今日強く感じた。そういう意味でも今日は決めなきゃいけないですね」
―攻撃のスピードが遅かった?
「確かにスピードは上がらなかったし。何本か縦パス入ったときにチャンスをつくれたと思うので、縦パスだったり、あとはもっとダイナミックなパスというか、短いパス、各駅停車が多かったんで、もっと速いのをドンと入れたらチャンスになっていたと前半から感じていた」

●MF長谷部誠(ボルフスブルク)
―引いた相手でやはり難しかったか?
「試合の入り方はそんなに悪くなかった。ウチが支配していてシュートで終わった場面もあったし、あれだけジャブを打っていればいつか入ると思っていたが、ボールが入ってから考えちゃう時間が長かったと思う。ダイレクトにつないでクサビが入るとリズムが出てチャンスになる。そういうのを後半やりたかったけどできなかった。みんな体が重くなった」
―コンディション的にきつかった?
「練習でもよく走っていたし、そんな感じはなかったですけどね」
―次に向けては?
「続けていくしかないんじゃないかな。今日の内容が悪いわけではなかったから。先制点を取られて苦しくなったのはゲームプラン的に最悪だった。追いつけたけど。決定機をつくってもあと一歩。そこで決まってくれればよかった」
―遠目のシュートを打ってもよかったのでは?
「それもあるけど、パスがつながるので、丁寧にやろうとした。崩せるという変な自信がある。そういうのをみんなが持っている」
―ボレーで合わせたシーンもあったが?
「個人的にはあと半歩くらい早いタイミングで反応していたら入ったと思う。低い位置から出ていくのはいいけど、今日みたいに僕が最初から前に行ってしまうと詰まっちゃうかなというのをやっていて思いましたね」
―自陣でボールを持っていたとき、かなり高いところにいたが?
「今日の試合は監督から個人的に『サイドバックが上がったら、引いてプレーしてくれ』と言われていたけど、自分の中では前へ前へというプレーをしてしまった。でも今日はあそこに入っていかないとチャンスがつくれないというのがあった」
―カウンター対策はできていた?
「前半、点を取られるまでは怖くなかったし、先制されてからは僕らも前がかりになりましたけど、まあ、できていたんじゃないですかね」
―球際での粘り強さを感じなかったのだが?
「そういう風に言われてもしょうがないと思います。見ていてそうなら、そういう感じなのだと思います」
―1-1という結果について、どう受け止める?
「最後に追いついたという意味では、勝ち点1は大きくなるかな。若いチームだし、精神面で負けずに最後に1点入れたのは大きかった」

●MF遠藤保仁(G大阪)
―リズムをつくれずに苦労した?
「足元が多かったんで、どうしても余計なワンクッションが入ったりしていた。今日はサイドチェンジするのが難しかったので、もうちょっと縦の幅を使えればよかった。またいい課題が見えたので、今日はそれなりにいいゲームだと思います」
―サイド攻撃はどうだった?
「サイドからもうちょっとクロスの精度がね。何よりも失点しないことだったけど。チャンスを決めていればよかったし、フィニッシュで終われればよかった。センタリングにもっと合わせるとかをやっていかないといけない。足元足元で相手を間延びさせず、もっとダイナミックにやらないといけない」
―相手が日本のパス回しに慣れてきた?
「特に後半はスペースがあったので、しっかりボールを回せば十分崩せたと思いますし、前半は足元、足元が多くて、それでも慣れたかどうかは知らないですけど、しっかりと先に点を取れば、何の問題もなかったと思いますね。芝が深いので次の試合はしっかりボールスピードを出していけば崩せると思います」

●MF松井大輔(グルノーブル)
―試合を振り返って。
「アグレッシブに戦うことができて良かったけど、もう少し試合への入り方を考えないといけない。アジアの戦いをみんな経験したことがないから、もうちょっと緊張感を持っていきたいというのがある」
―様子を見ながら試合に入ったのか?
「ゆっくり試合に入ってしまった。前半が勝負だと思う。後半にいけるんじゃないかと思わせてしまう入り方だった」

●MF藤本淳吾(清水)
「ホントに最後だけだったけど、勝ちたかったですけど、最後追いつけて、とりあえず最低限の結果は出せたんじゃないかと思います」
―初戦で追いついたことはプラス?
「もちろん勝ち点3は取りたかった。取らなきゃいけなかったけど、ああいう状況で相手もいいディフェンスをしていたし、あそこまで時間を引っ張っちゃって、最後の最後で追いついたことで1を拾った感じはあります」
―中東の難しさをあらためて知った?
「そうですね。よく分からないプレーがスーパープレーになったり、フィジカルでカバーしたりとか、そういうのも僕は肌で体感できてよかったし、これを次につなげていければいいと思います。欲を言えばもうちょっと長く出たかったです」

●DF吉田麻也(VVV)
「よかったです。何とか何とかという感じで。初戦ですし、僕自身、代表で2試合目。アジアで勝つのは難しいなとあらためて実感した」
―失点後は?
「大きく代える必要はなかったし、早く1点取れば楽になった。その1点が遅くなったけど、追い付けて勝ち点1を取れたし、どうこう言っても中3日ですぐに試合があるし、次に切り替えて、DFラインとコミュニケーションを取っていきたい」
―ハーフタイムは?
「ボール自体は回っていたし、ゲームは支配できていた。カウンターにだけ気を付けて、1点を取ろうと」
―足に当たって失点した場面は?
「アンラッキーの部分もあったし、もっと予測できた部分もあった。ああいう遅れた状況で足を出すと、ああなることもある。試合後に(川島)永嗣クンと話したけど、自分がファーのコースを切って、ニアは永嗣クンに任せてもよかった」
―点を取れてホッとした?
「もう1点を狙いにいった。チームとしてももっと点を取れたと思うし、僕自身にもチャンスがあった。闘莉王さんなら3点ぐらい取っていた」
―得点シーンは?
「練習通り。ファーに行って、相手がボールウォッチャーになっていた。ボールもすごいよかったし、触るだけだった。ただ、クロスはニアで引っかかっていることが多かった。そこは修正したい」
―次に向けては?
「アジアで戦うのは難しいと体感できた。ビルドアップでももっと前にいっていいのかもしれない。次のシリアも引いて守ってカウンターを仕掛けてくると思うので、次に生かしたい」
―最後は前線に残っていた?
「点を取る前に監督に聞いたら、『前に行け』と。あとは勝手に残っていた(笑)」
―代表初ゴールの感想は?
「状況が状況だったので、感慨深いものはなかった。次も点を取れるように。その前にまずは失点しないようにしたい」

●DF今野泰幸(F東京)
―相手のカウンター対策は?
「リスクマネジメントをしっかりして、必ず1人余るように、声を掛け合いながらやった。ただ、試合終盤の得点を取りたいというときには、結構バランスが崩れてしまった。しょうがないことだけど。でも、それまでは守備が崩れることはなかった」
―前半はDFラインから縦を狙ったボールが多かった?
「縦には結構入っていたし、僕も長いボールを入れたかったけど、1点取られてからは本当に人が多くて、出させないようにプレッシャーをかけてきていたから出しどころがなかった」
―ボールを引き出す動きが足りなかったのか
「それもそうだけど、ミスが多かった。もっと精度を上げていくしかないと思う」
―吉田との連係は問題ないか?
「問題あると言えないけど、1失点しているから。本当にそこは痛かった。ゼロでいきたかった。最後に1点取れたのは良かったけど、悔しい」

●DF内田篤人(シャルケ04)
「みんなは勝って当然と思うかもしれないけど、そんな簡単じゃない。アジアで余裕でトップというわけではないし、しっかり足元をみないと。崩せてはいたけど、そこで点を取れるか取れないか。取っちゃえばこっちもゲームをつくりながらできたし、2、3点取れれば向こうの気持ちも切れていたと思う」
―監督がプレースピードが上がらなかったと指摘していたが?
「なんですかね。もう少し、揺さぶったときにスイッチが入るというか、真ん中に真ん中にだったので、後半は特に。シュートで終わってほしかった」

●DF槙野智章(広島→ケルン)
―離脱が決まったが?
「明らかに僕より(永田)充さんの方がいい状態だった。チームに迷惑をかけたくなかった。でも、ケガをしたらすぐ離脱するのが普通なのに、ここまで残してくれて、スタッフが信頼してくれているのを感じた」

●GK川島永嗣(リールス)
「前半は攻撃のテンポが遅かった。ボールは動かしていたけど、チャンスをつくるシーンはあまりなかった。そこで失点してゲームが難しくなった。そのあと切り替えて、最後の得点につなげられたのは良かった。次は最初からいい形で入りたい」
―選手間でコンディションにバラツキがある?
「そのへんは考えていない。代表としてピッチに立つ以上、それは言い訳にできない。常に120%でやらないといけないし、11人だけでなく、チームがまとまってやらないといけない。今後の相手もこういうやり方で来るだろうし、勝つことはできなかったけど、今後に向けていいイメージはできたと思う」
―失点は不運な形だったが、吉田には声をかけた?
「ハーフタイムに話はした。本人にも思うところがあっただろうから、逆に点も取れたんだと思う。あいつは引きずるタイプじゃない」

(取材・文 西山紘平、矢内由美子)

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