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[選手権]“ダブル・ブルドーザー”が2発競演!滝川二が初V!!

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[1.10 全国高校選手権決勝 久御山3-5滝川二 国立]

 第89回全国高校サッカー選手権は10日、東京・国立競技場で決勝を行い、ともに初優勝を目指す久御山(京都)と滝川二(兵庫)が激突。滝川二がFW浜口孝太主将とFW樋口寛規(ともに3年)がそれぞれ2得点を挙げるなど5-3で勝ち、兵庫県勢としては1938年大会の神戸一中(現兵庫)以来72年ぶりとなる優勝を果たした。

 京都府勢18年ぶりの決勝進出を果たした久御山は4-3-3システム。GKが絹傘新(3年)でCB塚本健介(2年)が出場停止の4バックは右から東松孝治(1年)、山本大地主将、松下千馬山田修市(全て3年)。中盤はゲームメーカーの足立拓眞(3年)と二上浩一(2年)のダブルボランチでトップ下は1年生MF林祥太。3トップは左から今大会3得点の坂本樹是安川集治鍋野光希(全て3年)が並んだ。
 一方、4-4-2システムの滝川二はGKが中尾優輝矢で4バックは右から濱田量也土師直大(全て3年)、亀岡淳平平田雄己(いずれも2年)。中盤は谷口智紀香川勇気(いずれも3年)のダブルボランチで右が本城信晴、左が白岩涼(いずれも3年)。2トップは通称“ダブル・ブルドーザー”こと今大会6得点の樋口と同5得点の浜口が並んだ。

 滝川二の“ダブル・ブルドーザー”が決勝でも爆発した。序盤は自陣からボールをつなぐ久御山ペース。2列目から飛び出す足立が再三得点機に絡んだほか、個人でボールを運ぶことのできる坂本、安川の存在感も光った。6分には山田からの縦パスを受けた安川が強引にPAへ切れ込み右足シュートを放つなど、滝川二を押し込んだ。

 だが10分を過ぎると滝川二は試合の流れを徐々に引き寄せた。谷口と香川のダブルボランチが中盤で相手のパスワークを食い止め、そこからサイド攻撃。左の白岩や右の本城、濱田に入るボールが激増する。そして24分、滝川二は左サイドから樋口が送ったピンポイントクロスを大外の位置で待ち構えた本城が頭で中央へ折り返すと、ゴールエリアでボールを受けた浜口主将が反転からの左足シュートを決めて先制した。

 すぐさま反撃に移った久御山は鍋野らが相手DFラインの背後を強襲。32分には右サイドを打開した坂本が中央へボールをけり込む。GK中尾が弾いたボールを足立が頭で押し込もうとするが、前半最大の決定機は滝川二CB土師のスーパークリアによって阻まれてしまった。逆にダブルボランチと白岩らが中盤で献身的なプレーを見せる滝川二は40分、右サイドでボールを持った濱田が外側からPAへ走りこんだ本城へスルーパス。これを本城が中央へ折り返すと樋口がコントロールから右足でゴールへと流し込み2-0と突き放した。

 滝川二は後半9分にも濱田の右クロスのこぼれ球にいち早く反応した本城が左足シュートを決めて3点差とする。だが2試合連続PK戦勝利の久御山はここから驚異的な粘りを見せる。11分には坂本のシュートのこぼれ球を林が押し込み1-3。直後に香川からのスルーパスで抜け出した滝川二の浜口主将にこの日2点目のゴールを奪われるが、この後再三の決定機を逃した滝川二を試合終盤に猛追した。

 38分、安川のゴールで2点差とすると、41分にはショートパスでの中央突破から最後は坂本のゴールでついに1点差。そして5分が表示されたロスタイムには足立の右FKを山本主将が頭で合わせた。だがこのシュートはGK中尾に抑えられ、追撃もここまで。50分にPAのこぼれ球を拾った滝川二・樋口がGKをかわして乱打戦に決着をつける5点目のゴールを叩き込み、滝川二が高校チームの頂点に立った。

(取材・文 吉田太郎)
【特設】高校選手権2010
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