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[選手権]“久御山スタイル”貫いた!!胸を張っての準優勝

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[1.10 全国高校選手権決勝 久御山3-5滝川二 国立]

 「準優勝だけどうれしい」。試合後、久御山の選手たちは笑顔をみせた。決勝の舞台で敗れての準優勝。そこには悔しさよりも、自分たちのサッカーを貫いた清々しさに溢れていた。

 「ドリブルで仕掛けたり、細かくパスでつなげるスタイル」という久御山のサッカーに全員が自信を持っていた。プレーしていて楽しいからこそ、やっていて迷いはなかった。どんなに点を取られても、取り返せばいい。前向きな姿勢で今大会を戦い抜いた。それは決勝でも変わらなかった。3点のリードを許しても、パワープレーに出ることなく、つなぎ続けた。試合終了のホイッスルが鳴るまで、久御山は久御山らしく戦った。

 サッカーを楽しんだ結果の準優勝だからこそ、選手たちは前を向く。試合直後はピッチ上で涙を見せたが、表彰式では皆が笑顔。銀メダルを満面の笑みで受け取った。そして、優勝に輝いた滝川二を全員が拍手で称えた。「滝二さんを祝福したい」(足立)と相手の応援スタンドにも挨拶した。

 ここまで久御山が独自のスタイルを貫き通すことができたのも、初戦の座間高戦(2-1)でプレスをかいくぐれたことが大きなきっかけだった。松本悟監督も「座間とやって、プレスの強いチーム相手につなげることを覚えた。自分たちのサッカーをやり続けることを学んだ」と振り返る。どんなスタイルの相手にも自分たちのサッカーを貫けば、結果もついてくるということを選手たちは実感。それが自信になった。MF足立拓眞(3年)も「5戦やってきて相手のプレスが怖いときもあったけど、つないでやってきて良かった。この大会ではサッカーの楽しさを知ることができた」と笑顔をみせた。

 松本監督は今後へ向けて「もっともっと上手くなって相手を翻弄したい。パスやドリブルができる選手と、またここに戻ってきたい」と語った。チームスタッフも皆、気持ちはひとつ。「また来年きますから!」女子マネージャーたちも涙ではなく、笑顔をみせた。

 「僕たちのサッカーを全国に知らしめることが出来た」と足立は胸を張る。久御山が堂々たる準優勝という成績で今大会を締めくくった。

(写真協力 『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 片岡涼)
【特設】高校選手権2010

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