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[選手権]土師スーパークリアも!滝川二は夏と違う姿見せる

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[1.10 全国高校選手権決勝 久御山3-5滝川二 国立]

 リードを守りきることのできなかった全国高校総体決勝と違う姿を見せた。4-1とリードしながら集中力のやや欠けた試合終盤の後半39分、41分にまさかの連続失点。1-0から後半残り10分で追いつかれ延長戦の末に市立船橋に敗れた全国高校総体決勝の悪夢が誰もの頭をよぎった。

 だがここで滝川二は踏ん張る。自陣でファールを連発し、再三FKのピンチを迎えたが、CB土師直大(3年)を中心に守りきった。後半ロスタイムには久御山CB山本大地(3年)に決定的なヘディングシュートを放たれたものの、GK中尾優輝矢(3年)がコースを消してセーブ。後半50分に決めたFW樋口寛規(3年)のダメ押しゴールには緊張から開放された守備陣も喜びを爆発させていた。中尾は「自分自身の内容としてはよくなかった。でも体張れて優勝できたことはよかった」。

 この日は前半だけでシュート10本を放たれた。1点でも失っていれば展開は大きく変わっていたかもしれない。だが出場停止明けのCB亀岡淳平(2年)がPAへ侵入してきたFW鍋野光希(3年)の突進をスライディングタックルで食い止めると同じく2年生DFの平田雄己らも粘る。

 そしてビッグプレーもあった。前半32分、久御山FW坂本樹是(3年)に右サイドを破られるとクロスのこぼれ球をMF足立拓眞(3年)にゴール至近距離から決定的なヘディングシュートを放たれた。だが素早くゴールのカバーに入っていた土師が頭でゴールからはじき出すスーパークリア。前日練習で「インハイのときとは違う。運動量も増えている」と言い切っていた土師は自らのプレーで「違う」ところを示し、ゴールを死守した。

 一度リズムを崩すと大量失点を喫していた滝川二。公式戦で7点を奪われた試合も1-9で大敗した試合もある。それでも全員で悪い流れを断ち切っての勝利。そして夏果たせなかったあと1勝を果たした。土師は試合終了の笛とともにひとりスタンドへ駆け寄り、夏あとわずかなところで捧げられなかった日本一の喜びを控え部員たちともに分かち合っていた。

(取材・文 吉田太郎)
【特設】高校選手権2010

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