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「初めての退場」、劇的逆転勝利に吉田「ホッとした」

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[1.21 アジア杯準々決勝 日本3-2カタール アルガラファ]

 劇的な逆転勝利も心境は複雑だった。1-1の後半18分、日本代表DF吉田麻也(VVV)は2枚目の警告で退場処分を受けた。痛恨の退場でチームを数的不利に追い込み、しかもこのプレーで与えたFKを直接決められた。1-2。ピッチをあとにした吉田は、苦境に立たされたチームを信じることしかできなかった。

 「ある程度ジャッジのことは分かっていたのに、そこに対応し切れなかった僕のミスだと思う。特に2枚目は僕のミスで招いたことなので、本当にチームメイトとサポーターに申し訳なかったけど、勝ってくれて良かった」

 10人のチームはその後、執念の逆転勝ち。「ホッとしたし、感謝した」と安堵のため息をついた。「初めての退場だった」と本人は言う。後半開始早々の1分にFWセバスチャンを倒し、警告。後半18分には俊足のFWユセフ・アーメドに前に入られ、思わず後方から足を引っ掛けた。

 前半13分に先制点を許した場面でも最終ラインが乱れ、1対1で吉田が簡単にかわされた。相手の自陣からのロングフィードに吉田とDF伊野波雅彦のラインが合わず、オフサイドトラップをセバスチャンに突破された。必死に戻って対応した吉田だが、PA内で切り返したセバスチャンに一発で振り切られ、ゴールを破られた。

 「オフサイド抜きにして、対応の部分でミスもあったし、課題としているところで上手く対応できなかったから悔しい。単純にもう1歩詰めなければいけなかったし、まずは中に切り返されずにコースが少ない方に追い込むべきだった」

 反省の言葉ばかりが口をついた吉田は25日の準決勝が出場停止になる。中3日。チームをサポートし、スタンドから勝利を祈るしかない。再び決勝でピッチに立つために、そしてこの先、代表レギュラーの座を勝ち取るためにも、この日の経験を無駄にするわけにはいかない。

[写真]吉田は2度目の警告で退場に

(取材・文 西山紘平)

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