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日本vs韓国 試合後の監督会見要旨

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[1.25 アジア杯準決勝 日本2-2(PK3-0)韓国 アルガラファ]

 日本代表は25日、アジア杯準決勝で韓国代表と対戦。延長後半15分に2-2の同点に追い付かれ、PK戦に突入したが、GK川島永嗣が2本セーブする活躍を見せ、PK3-0で勝った。
以下、試合後の監督会見要旨

アルベルト・ザッケローニ監督
「予想通りタフなゲームだった。韓国とはいつもすごい戦いになるが、こういう大会でさらにすごい戦いになった。前半は日本の方が良かった。コンビネーションを使ってサイドから崩して、3つビッグチャンスがあった。後半は韓国の方が良かった。フィジカルを押し出されて、向こうの方が走れていた。ロングボールからセカンドボールを拾われて押し込まれ、試合終了間際に同点に追い付かれた。韓国の戦い方は称賛されないといけない。その素晴らしいチームに勝ててうれしい」

―細貝投入の狙いは?
「全体が疲れて、間延びしていた。前でキープできない状況だった。中盤でスペースをつくらせないために細貝を入れた」

―決勝の相手はオーストラリアとウズベキスタンのどちらがいい?(会見の時点では相手が未決定)
「どちらにしてもヨーロッパスタイルで、フィジカルが強い。うちにとっては、どちらが来ても変わらない」

―PK戦の前に選手に言ったことは? また川島のプレーについては?
「PK戦の前には『取られた点のことは忘れて、自信を持って蹴ろう』ということを言った。GKの選考基準は変わらない。良くないからといって、(大会の)最中に代えるのは良くない。いいGKはミスが少ない。しかし、ミスがない選手は存在しない。私は彼を信頼しているし、試合前には『信頼しているから落ち着いてやれ』と伝えた」

―先制されても逆転できるのは日本の新しい力か?
「日本にはグループの輪がある。チームが一丸となって戦う姿勢を見ることができる。ただ、フィジカルを押し出す相手には苦労すると言われていたが、実際にそうなった。ポゼッションからリズムをつくって、早い攻撃を心がけても、引いた相手を崩すのは難しかった。失点のほとんどはセットプレーから。フィジカルで押し込まれたとき、どこまでひるまず、精神的にカバーできるかということも模索していかないといけない。チームが1つになって戦うのは日本の精神だと思う」

―決勝の相手はオーストラリアが濃厚だが、それならこの時点で日本がアジアで一番なのでは?
「日本がアジアで一番かは分かりかねるが、アジアのサッカーは伸びてきている。日本の選手はトップレベルを見せてくれているし、プレー内容は一番かもしれない。しかし、ゲームメイクとか、1つの要素で決まるものではない。ナンバー1の議論をしても、平行線のままだ。今後、W杯予選が始まるが、次の大会のシード権を得られて、強化としては良かったと思う」

―立ち上がりは韓国がそれほど来なかったが?
「日本はフィジカルで苦労してきた。海外組を含め、フィジカルのばらつきの調整は難しかったが、その中でベースをつくってきた。韓国は疲れているかと思っていたが、普段通りの韓国だった。まったく的が外れ、フィジカル、走力で押し込まれた」

―前半の内容は良かったように見えたが?
「フィジカル、テクニックの練習を含めて、選手は私の考えを吸収し、実践する力もある。練習を見ていても楽しいし、もっともっとピッチの上で実践してくれればと思っている」

―審判の判定については?
「ジャッジの話をするのは好きではない。ただ、日本も韓国もPKではないと思う」

(以下、ミックスゾーンでのコメント)
「まずは会場まで駆け付けてくれたサポーターの皆さん、ありがとうございます。今日勝つことができて、決勝に駒を進めることができてうれしいし、テレビで応援してくれていたサポーターを含めて一緒に喜びたい。このチームはピッチで常に全力を出し切ることができる」

―優勝するために大事なことは?
「一番大切なのは最後まで残ったこと。今大会のベストの2チームがファイナルで当たる。日本はこの大会に求めてきたものは経験だった。しかし、ここまで来たら勝ちたい。勝利に近づくには、選手のフィジカルの回復が大事だ。完全に回復すれば、勝利に近づくと思う」

―カタール戦では派手なガッツポーズを見せていたが、今日は勝利が決まっても冷静だった。
「そのへんの調整ができるリモコンを持っているわけではない(笑)。本能的なもので、うれしい気持ちに変わりはない。監督の仕事は、選手が持っているものをピッチで出してあげることだと思っている」

―細貝を入れてシステムを相手に合わせたが?
「チームにとって要になるのは中盤。そこで常にバランスを取らないといけない。選手が消耗してきて、チームが間延びしていた」

―最後は5バックにしたが?
「試合の最後は向こうがフィジカルで押してきた。それに対応するため、エリア内を固めるためだった。それでも、うちは前に2トップを残していた」

―最後に追い付かれてPK戦になったが?
「うちが失点するのはだいたいセットプレーか、セットプレーからの流れ。あの時点で失点して悔しかったが、選手は落ち着いていた」

―PK戦のキッカーは監督が決めたのか?
「カタール戦の前に決めていた」

―川島が素晴らしいセーブを見せたが?
「最高の試合になりましたね」

[写真]日本代表ザッケローニ監督

(取材・文 西山紘平)

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