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[MOM422]横河武蔵野FCユースFW相沢一貴(2年)_“先輩”李忠成のように「あきらめずに」大仕事

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[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]
[2.11 東京都クラブユース選手権3位決定戦 横河武蔵野FCユース 4-0 三菱養和SCユース 西が丘]

 まるでアジア杯決勝でV弾を叩き込んだ“先輩”ストライカーのようだった。横河武蔵野FCユースは1-0の後半30分に投入されたFW相沢一貴が貴重な追加点をたたき出すなど勝利を決定付ける大活躍。増本浩平監督から「(かつて横河武蔵野FCジュニアユースでプレーしていた)李忠成はアジア杯であきらめない気持ちを出してくれた。相沢は途中出場だったけど、李のようにあきらめない気持ち、そして結果を出してくれた」と賞賛され、そしてこの試合のマン・オブ・ザ・マッチに指名された。

 試合序盤に上げた1点による1-0のまま、後半も残り時間15分。横河武蔵野は決定機をつくるものの、追加点が奪えず相手を引き離せなすことができなかった。対する三菱養和SCユースは5選手を入れ替えて反撃の手を強めてくる。その状況でピッチに入った相川は「入って第一声で『盛り上げていこう』と言ったんです。自分たちは気持ち出る選手たちの集まり。みんなその声に反応してくれたし、オレのゴールで流れを変えてやろうと思っていた」。
 
 その思いが実現したのはわずか2分後。相手CBのミスを突いた相沢がインターセプトから独走。「後ろから『ガンバレ』『行けー』という声が聞こえて。緊張せずに行けた。自分ひとりだけだったら絶対に外している。でもみんなの声が聞こえたから。それが心に響いた」。スピードに乗ったドリブルでPAへ侵入した相沢は鋭い動きでGKをかわし、そのまま右足で2点目のゴールを突き刺した。そしてアジア杯で李が見せたように弓矢を射るゴールパフォーマンス(写真)。チームを救ったFWは喜びを爆発していた。

 その4分後にも右サイドをドリブルで打開し、3点目のゴールを演出。勝利の立て役者となった相沢だが、これまでは公式戦で信頼を勝ち取ることができず、この日も75分間出番がやってこなかった。それでも「チャンスは絶対に来ると思っていた。チャンスが来たら絶対に結果を残す」と辛抱強く出番を待ち続けてきた。中学時代に横河武蔵野でプレーしていた李は、アジア杯で出場機会に恵まれない状況に置かれながらもあきらめずにトレーニングを続け、最後の最後で大仕事をしてのけたが、相沢も先輩と同じ気持ちでトレーニングに臨み、同じように結果を残した。

 現在はまだ控えの立場だが、将来へ向けてもあきらめるつもりはない。「きょうは後半からでしたけど、まずスタメンを取ること。自分の将来の目標はプロになることなので、大学の関係者の方とかいろいろな人に見てもらえるようにアピールしたい」。これから成長し、さらなる活躍を果たして夢をかなえる。

(取材・文 吉田太郎)

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