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高校選抜撃破のJユース選抜・杉本主将「イマジネーションの勝利」

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[2.26 富士ゼロックススーパーカップNEXT GENERATION MATCH U-18Jリーグ選抜2-1日本高校選抜 日産]

 U-18Jリーグ選抜のキャプテンを務めたMF杉本竜士(東京Vユース)は「高校とクラブ(の対戦)。クラブの代表としてそこは負けられないと思っていた」と2-1で勝利した試合後、興奮を抑えるかのように冷静に喜びを語った。

 Jリーガー予備軍が高校チームのトップレベルの選手たちを打ち倒しての勝利。それぞれの実力だけで勝てた訳ではない。「上回っていたのはみんなのイマジネーション。あっちも上手い選手がたくさんいたけど、攻撃だけでなく、どこから守備するのかとか含めて上回ることができていたんじゃないかと思います」と杉本は分析する。
 
 イレブンは試合前日の25日に集合。わずか1日だけ練習を行ってこの日の試合に臨んだJリーグ選抜だったが、松橋力蔵監督(横浜FMユース)が「選手たちと会った瞬間に考えが一緒だと感じられました」と語ったように、全員がひとつの目標である勝利を果たすために、集合時から一丸となって戦い、共有したイマジネーションで勝利をもぎ取った。

 2月に東京Vトップチームの高知キャンプに参加するなどクラブからの期待大きい杉本は、技術の高さも魅せた。この日は先週のU-18日本代表候補合宿で負傷した影響で途中出場だったが「昔からドリブルしかしていない」という武器のドリブル突破から13分、20分と強烈なシュートを高校選抜ゴールへと浴びせた。惜しくもゴールにはならなかったが、十分すぎるほどの脅威となった杉本。「あまりフェイントを入れると、周りがいい動きをしたときにパスを出せない」という理由で、緩急をつけたドリブルで相手を抜くことを意識しながら、その武器を最大限に生かしてチームに活力を加えた。
 
 キャプテンは所属している東京Vユースはおろか、下の年代でも経験がなかった。「何をしたら分からなかった」と苦笑いしたが、それでも後半からキャプテンマークを巻いた杉本はプレーでチームを引っ張り勝利へと導いた。

 杉本は日産スタジアムでプレーした35分間を振り返り「またやりたい。努力すれば、またこういう舞台でプレーすることができる。頑張ります」。ピッチ上で見せる荒々しさとは対照的に、丁寧な受け答えでミックスゾーンでの取材を終えた杉本は、笑顔で2日間をともにしたチームメイトたちの元へ戻っていった。

(取材・文 吉田太郎)

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