beacon

選手権得点王の樋口は不発も、日産スでの試合に決意新た。「常にこういう雰囲気の中で試合をしたい」

このエントリーをはてなブックマークに追加

[2.26 富士ゼロックススーパーカップNEXT GENERATION MATCH U-18Jリーグ選抜2-1日本高校選抜 日産ス]

 悔しい結果に終わり、いつものような元気な笑顔が少なかった。日本高校選抜のエースで、清水入団のFW樋口寛規(滝川二3年)は先発出場も、シュート2本の無得点で後半26分に途中交代した。試合後は反省ばかりが口をついた。

「負けたし悔しいです。得点に絡むことを強く意識していたけど、決められたなかった。前に前に、行き過ぎたと思う。もっと引いてボールをもらうとか、ボールの近くに絡んでいけばよかった」

 相手はレベルの高いユース選手だったが、学年はひとつ下の選手ばかり。選手権得点王、清水入団の肩書きを持つストライカーにとっては、負けられない相手だった。ゴールを決めて貫禄を見せたい思いが強かった。FW加部未蘭(山梨学院3年)によると「樋口が一番、気合が入っていた」という。その通り、積極的にDFラインの裏を狙うなど要所で“さすがはプロ”のプレーを見せた。しかしあと一歩、ゴールに届かなかった。

 チームは選考合宿を経て一時解散し、前日に再集合したばかり。コンビネーションの面やフィジカルの面でばらつきがあった。樋口は清水で練習をこなしていたが、チーム全体を見ると選抜チームだけに連動性が少なく、攻撃がぎこちなかったという。「35分ハーフと試合時間が短かったし、もっと前から行こうと言っていたが、チームとして動けていなかった。チームとしてどうやってやるか、連携がうまくいかなかった」と課題を口にした。

 ただ、成長を感じた試合でもあったという。すでに清水の練習に合流していることもあり、「ずっとあっちのレベルでやっていたので、同じ年代だとある程度、楽にできた」。プロの激しい当たりやスピードを日々、体感しているため余裕を持ってプレーできた部分があった。同世代とやることで成長を感じ、そして自信もついた。

「日産スタジアムでプレーしたのは初めて。芝もめっちゃきれいでやりやすかった。常にこういう雰囲気の中で試合をしたいと思った。まずは早くJリーグでプレーできるようになりたい」と樋口は、オレンジのユニホームを身にまといW杯決勝も行われた日産スタジアムでの活躍を思い描いた。プロでの飛躍のためにも、高校選抜という舞台を無駄にせず、自分の成長につなげるつもりだ。

(取材・文 近藤安弘)

TOP