[2.26 富士ゼロックススーパーカップ 名古屋1-1(PK3-1)鹿島 日産ス]

　2011年の公式戦初ゴールは、名古屋グランパスDF増川隆洋だった。後半9分、右サイドで得たFKのチャンス。MF藤本淳吾の入れたボールに増川がファーサイドから走り込んだ。飛び出したGK曽ヶ端準より先に頭を合わせてゴール。名古屋の武器であるセットプレーが今年も健在であることを証明した。

「イメージ通りのボールが来た。マークを外してしっかりとあわせることができた。2011年公式戦初ゴール?　取れたらいいなと思っていたけど、まさか取れるとは思わなかったです。ラッキーでしたね」

　昨季リーグ戦1得点だった増川だが、シーズン最初の公式戦で幸先の良いゴールを決めた。当然、これは名古屋にとってプラスを意味する。今年は清水から藤本淳吾というキックのうまい選手が入ったが、ケネディや闘莉王以外の選手がFKやCKでゴールを決められれば、さらに相手へ脅威を与えることができる。マークの分散も期待でき、ゴールの確立が高まるといえるだろう。

　“本業”でも奮闘した。FKで1失点こそしたが、増川は闘莉王とともにCBのコンビを組み、安定した守備を見せた。「プレーの凄みが増した?　見た目がこんななんでね(笑)。常にベストのプレーをすることは今年も変わりません。チームが勝つためにプレーしたい」と増川。名古屋はタレント軍団だが、こういう“できる脇役”がいる限り、今年も強さを発揮しそうだ。

(取材・文 近藤安弘)