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1得点2アシストのアドリアーノ。爆発呼んだ遠藤のサポート

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[3.1 ACL GL第1節 G大阪5-1メルボルン・ビクトリー 万博]

 期待に応える活躍だった。セレッソ大阪から移籍加入した新助っ人アドリアーノが公式戦初戦で実力を存分にアピールした。武井択也の先制ゴールからわずか3分後の前半7分。イ・グノが得たPKのチャンスで、アドリアーノは遠藤保仁を見て言った。

「俺が蹴る」

 日本が誇るPKの名手を差し置いてボールをセットすると、1万2949人の観衆がどよめくほど小刻みなステップを踏み、タイミングをずらして右足を振り抜いた。シュートは先に動いてしまったGKの逆を突き、気持ちよくネットを揺らした。

「ヤットが経験豊かな選手だということは知っていたよ。でも入ってきたばかりの僕に蹴らせてくれたね。まあ、蹴ってもいいかと聞くのは問題ないことだしね」とご満悦のストライカーは、試合開始7分の移籍初ゴールでプレッシャーから解き放たれると、その後は手のつけられないプレーを連発した。

 11分、宇佐美のスルーパスを受けて右サイドを切り裂き、マイナスのパスでイ・グノのゴールをアシスト。試合後、メルボルンのメリック監督が「10分で負けが決まった」と言い切ったほどのダメージを相手に与えると、後半18分にはまたしても右サイドを突破し、今度は二川孝広のチーム4点目をアシストした。

 切れ味鋭いドリブルと味方を生かすパスセンス。これに加えて、セレッソ大阪でプレーした昨季の14得点という数字が示すように、何より決定力がある。

 チームは後半ロスタイムにも新加入のキム・スンヨンがゴールを決め、5-1の大勝スタートを切った。

 新加入の点取り屋を波に乗らせた陰の立て役者・遠藤は「新しく入ってきて、1点取るまで落ち着かないだろうから」と、アドリアーノにPKを譲った場面を余裕で振り返る。1月のアジア杯シリア戦で、ゴールにはやる本田圭佑にPKを譲り、結果的にチーム全体を活気づけた大局的視野は、チームでも健在。3年ぶりのアジア王座奪回を目指すガンバ大阪が、最高のスタートを切った。

(取材・文 矢内由美子)

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