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[デンチャレ]初参加の全日本大学選抜、苦しみながらも2-0発進

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[3.4 デンソーカップチャレンジ1回戦 全日本大学選抜2-0関西選抜]

 大学サッカーの地域対抗戦「デンソーカップチャレンジ」が開幕。大会方式の変更により、今大会から参加することとなった全日本大学選抜は関西選抜に2-0で勝利した。

 当然のことながら優勝候補の筆頭にあげられる実力を持つ全日本大学選抜だが中野雄二監督が「勝って当然と思われている」と評したチームの初戦は、2-0というスコアとは裏腹に苦戦を強いられる展開となった。

 試合の序盤、主導権を握ったのは全日本大学だった。激しいプレッシャーで関西を追い込み、ボールを奪うと右サイドの
MF河井陽介(慶應義塾大3年=藤枝東高)、左サイドの奥埜博亮(仙台大3年=仙台ユース)が両サイドから攻撃をしかけ、2トップの富山貴光(早稲田大2年=矢板中央高)、林容平(中央大3年=浦和ユース)にボールを集める。だが、ラストプレーの不正確さからゴールにまでは至らない。

 逆に20分頃になると関西が中盤でボールを奪い、MF阿部浩之(関西学院大3年=大阪桐蔭高)を中心に反撃を開始。26分には、その阿部のパスからFW坂本一輝(立命館大2年=野洲高)が裏に抜け出して決定的なチャンスを迎えるが、タイミングが合わずDFがクリア。「初戦がいちばん難しいと思っていた」と中野監督が心配していたとおり、嫌なムードが漂い始める。

 だが32分、河井の右のCKに前線まで上がっていたDF丸山祐市(明治大3年=國學院久我山高)が頭で合わせて全日本が先制。関西は出鼻をくじかれる形になり、1-0のまま前半を折り返す。

 後半に入ると関西は一気に3人の選手を交代。試合の流れを引き戻そうとするが、53分、左サイドで奥埜が奪ったボールを山村和也(流通経済大3年=国見高)が中央へ。河井がスルーしたところに走りこんでいたMF中里崇宏(流通経済大3年=流通経済大柏高)が豪快なミドルを叩き込んで2点目をゲット。関西の逆襲に先んじる形で、リードを2-0に広げた。

 一方関西も、交代で入ったFW泉澤仁(阪南大1年=新潟ユース)が効果的な抜け出しを見せ、たびたびチャンスを作る。終盤になると、全日本のプレッシャーが緩くなってきたこともあってボールを保持する時間帯も増えるのだが、攻撃が徐々に単調となり全日本の守りを崩すことができない。だが危なげない守りでチャンスをつくらせない全日本にしても、攻撃に関しては関西からボールを奪うまでが精一杯。終盤には次々と交代選手を投入するも、試合状況を変えることはできずそのままタイムアップ。“地力”に勝る全日本が関西にゴールを許すことなく白星を得たが、決して“快勝”とはいえないのが辛いところ。「戦術というより個人の緩慢さが気になった」(中野監督)のは今後の修正点といえる。

 それでも「自分たちの思ったようなサッカーができない、こういう試合で勝てたのは大きな収穫」であることは確か。次戦の準決勝・関東選抜Bとの対戦では「今日サブだった選手は全員出すし、(チームの中心である)山村は出さないつもり。山村抜きで、どこまでやれるのか、それも経験させたい」(中野監督)とのこと。個々のポテンシャルを考えれば、決して“無謀な賭け”ではない。今度こそ実力どおりの試合内容を期待したい。

[写真]前半32分、全日本大学選抜D丸山が先制ゴール
(取材・文 飯嶋玲子)
第25回デンソーチャレンジ堺大会特集

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