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[デンチャレ]全日本大学選抜、PK戦で関東B下す

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[3.5 デンソーカップチャレンジ準決勝 全日本大学選抜1-1(PK4-3)関東選抜B]

 デンソーカップチャレンジサッカーは5日、大阪府堺市のJ-GREENで準決勝2試合を行い、全日本選抜チームは1-1からのPK戦の末に4-3で関東選抜Bチームを下して決勝進出を決めた。

 前日の1回戦から大幅にメンバーを入れ替えた全日本は大苦戦。相手からボールを奪うまでは比較的順調だったが、攻撃の組み立てが機能せず、次第にペースを奪われていった。対する関東BはMF上村岬(筑波大1年=磐田ユース)が中心となり、回数こそ少ないながらも長短のパスを交えて自陣から巧みに押し返していった。前半をスコアレスで折り返すと、後半開始早々の6分に先制点が生まれた。ハーフタイムの交代で途中出場した右MF天野純(順天堂大1年=横浜FMユース)が右サイドから斜め前方へパスを出すと、逆サイドからポジションを寄せていた左MF岡庭和輝(順天堂大1年=千葉U-18)が短くドリブルで仕掛けてゴール前へマイナスのパス。ワントップの征矢智和(流通経済大3年=東京Vユース)がダイレクトで合わせてゴールを奪った。

 全日本は21分に左MF湯澤洋介(駒澤大2年=矢板中央高)を下げてFW林容平(中央大3年=浦和ユース)を投入。4-4-2から4-3-3へとシステムを切り替えて前がかりに出た。しかし、試合のペースを奪い取った矢先の28分に右DF大岩一貴(中央大3年=中京大中京高)が2度目の警告で退場となった。それでも3トップを変えずに3-3-3の布陣で攻め立てた全日本は、37分に山村和也(流通経済大3年=国見高)をボランチとして投入。すると42分、山村の鋭い縦パスでFW赤崎秀平(筑波大1年=佐賀東高)が相手DFを背負いながらもライン裏へ抜け出し、GKとの1対1に持ち込んで値千金の同点ゴールを奪った。赤崎は「あの位置でもらえれば、ゴールが近いということは分かっていたので、相手が来ていても持ち込んだ。ただ、やっぱりパスが良かった。山村様々です」と笑ったが、指揮官も絶賛する勝負強さだった。

 試合は90分で決着がつかず、PK戦へ突入。全日本のGK高木駿(明治大3年=東京Vユース)が2本目をセーブ。直後に自ら蹴ったシュートを外したが、4本目で再び好セーブ。5本を終えて4-3で勝利した。全日本の指揮を執る中野雄二監督は「(全日本の)面子が保てて良かった。PK戦はトーナメントを勝ちきるために必要なので、GKに蹴る方向を伝えた上でシュートを決めるという練習を毎日やってきた。ユニバーシアードを前にして実戦でやれたことは良かった。ただ、90分の内容で、今日のメンバーでどうなのかというと、組み立てができなかった。本当は山村を出さずに勝ち切りたかった」と安堵と不満の入り混じった複雑な表情で話した。全日本選抜は大会最終日となるあす6日、関東選抜Aとの決勝戦に臨む。

(取材・文 平野貴也)
第25回デンソーチャレンジ堺大会特集

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