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[MOM131]全日本大学選抜GK高木駿(明治大)_“自作自演”のヒーロー

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[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[3.5 デンソーカップチャレンジ準決勝 全日本大学選抜1-1(PK4-3)関東選抜B]

「自作自演……言われると思っていました」と全日本大学選抜の守護神、高木駿(明治大3年=東京Vユース)は苦笑いを浮かべた。PK戦で相手の2本目をセーブしたが、自ら蹴った3本目のシュートを失敗。長い間を置いて勢いよく振り切った左足がミートしたボールは、ゴールバーを越えていった。

 好セーブを帳消しにしてしまったが、相手の4本目を再びセーブ。全日本選抜を決勝へ導いた“自作自演の”ヒーローは「試合内容は全体的にミスが多く、マズイと思っていた。ただ、PK戦は練習してきたし、PKになることは悪くない、という気持ちを作ってきていたので、その点は良かった。キックミスは、間合いを取るのはいつも通りだったけど、普通に外してしまった。枠に行けば決まるというキックだったんですけど。セーブは得意だし、相手をしっかり見れば止められる自信がある」と試合を振り返った。

 キックは外れたが、全日本大学選抜の中野雄二監督は「高木はPKが一番うまい。FWの林よりもシュートにスピードがある」と強烈なキックと思い切りの良さを変わらずに信頼する姿勢を強調した。

 この日は先発で起用されたが、前日は控えだった。ユニバーシアード日本代表入りを目指す中でポジション争いの真っ最中でもある。その中で、意識しているのは試合以外の面も含めた存在感の発揮だ。「試合に限らず、安定してチームの中で存在感を出したい。サブに回ることが多くても、チームを盛り上げていく。だからと言って、自分はセカンドGKなんだとも思っていない。その場その場で自分がやるべき役割を感じて、チームに貢献することが、存在感を出すということになると思う。こういう経験は所属チームだけではできないことだし、自分が成長できる場だと思う」と力強く話した。

 あす6日は関東選抜Aとの決勝戦。出場の機会があるかは分からないが「みんなが全日本に勝ちたいと思っているだろうけど、僕たちだって(大学での)チームメートが相手にいるのに負けられない。みんな、プライドも感じている。モチベーションの高さに変わりはない。負けられないぞというプレッシャーをうまく吸収して力にして勝てれば、もっと強くなれるんじゃないかと思う」と変わらぬ必勝態勢を貫いた。

(取材・文 平野貴也)
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