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[デンチャレ]熱戦制した関東Aが決勝進出!

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[3.5 デンソーカップチャレンジ準決勝 九州選抜0-1関東A選抜]

 大学サッカーの地域対抗戦、デンソーカップチャレンジは5日、準決勝を行い、関東A選抜はFW瀬沼優司(筑波大2年=桐光学園高)の決勝ゴールにより、九州選抜に1-0で勝利。6日に全日本大学選抜と戦う決勝進出を果たした。

 九州選抜は前日4日の試合で北海道・東北選抜に6-0と大勝。一方の関東選抜Aは中国・四国選抜に2-1で勝ったものの、内容は芳しくなく辛勝といっていい出来だった。対称的な1回戦を経て対戦することになった2チームだったが、準決勝のこの試合では双方の実力ががっぷりに組み合う好ゲームとなった。

 昨日、ふがいない試合をしたばかりの関東Aは立ち上がりから積極的にプレー。開始早々に3連続でセットプレーを得るなど、九州に対して先手先手のプレーを仕掛ける。だが九州も厳しいプレスでボールを奪うと、スピードのあるトップの石津大介(福岡大3年=福岡大大濠高)、中原秀人(福岡教育大2年=佐賀東高)らを活かしてチャンスを作る。30分すぎまで、試合内容はほぼ互角。奥田大二郎(明治大3年=東京Vユース)、岩上祐三(東海大3年=前橋商高)の左右両サイドバックから崩そうとする関東Aに対し、九州はボランチ黒木晃平(佐賀大3年=大津高)の展開力と五領淳樹(宮崎産業経営大3年=神村学園高)のドリブルを中心に攻撃を展開した。

 一進一退を繰り返す試合に転機が訪れたのは36分。右サイドの田中恵太(明治大3年=三菱養和SCユース)からボールを受けた瀬沼が、ドリブルでディフェンスラインを強引に突破。そのままシュートを放ち、先制点をあげる。このゴールで追う立場となった九州は、ハーフタイムに清武功暉(福岡大2年=大分U-18)を投入。九州のエースの投入により関東Aは後半開始早々苦戦を強いられるが、この試合はセンターバックに入っていた主将の佐々木翔(神奈川大3年=城山高)を本来のポジションであるボランチに戻し、「アンカー的なポジションに入れることで、清武ににらみをきかせようと思った」(関東A・神川明彦監督)。同時にセンターバックに高さのある若狭大志(東洋大3年=浦和学院高)を入れ、九州のロングボールの攻撃にも備えた。

 こうした関東Aの選手起用が功を奏し、九州は早め早めの交代で流れを作ろうとするも、決定的なシーンを作ることができない。セカンドボールを早めに前線に入れて、キープ力のある石津、五領、野林涼(鹿屋体育大3年=鹿島ユ-ス)らにボールを集め、22分に中原、29分に島屋八徳(宮崎産業経営大3年=折尾愛真高)が決定的なシュートを放つが、いずれも関東AのGK上福元直人(順天堂大3年=市立船橋高)の好セーブに阻まれゴールに結びつかない。逆に関東Aも、交代で投入された奥山慎(中央大2年=帝京高)の突破力で流れを変えるなど、試合はチャンスシーンが頻繁に行き来するシーソーゲームの様相を呈してきた。
 しかし両チームともに決定的なシーンを作ることはできず、試合はそのままタイムアップ。昨日とは一転、タイトな試合を戦い切った関東Aが決勝に駒を進めることとなった。

 関東Aの神川監督は「石津のPA内での突破力は要注意と聞いていたので、内側で(相手の攻撃を切って)外に蹴らせるようにした」と対九州対策を選手たちに徹底させていたとコメント。そのうえで攻撃面ではボランチが勇気を持ってボールを受け、前線につなぐことで、昨日のイメージを払拭させようとしたという。狙いどおり、昨日の試合とは見違えるような動きを見せた関東A。決勝の対戦相手は神川監督が「いちばん対戦したかった相手」という全日本大学選抜。昨年の夏から、海外キャンプや親善試合などを経て作り上げたチームの“最後の一戦”は最高の舞台が用意された。あとは、チームのテーマである“戦えるチーム”をどう昇華させるかだ。

[写真]前半36分、瀬沼の決勝ゴールを喜ぶ関東A選抜
(取材・文 飯嶋玲子)
第25回デンソーチャレンジ堺大会特集

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