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[戦評]川崎Fはスタイルが変わった。今後の“上積み”が楽しみ

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[3.5 J1第1節 川崎F2-0山形 等々力]

田村修一の「視点」

 川崎フロンターレは相馬直樹新監督を迎えて、完全にスタイルが変わった。どちらかというと、バルセロナのようなショートパスのサッカーになっていた。昨年までの関塚監督、高畠監督のときは足の速い選手が前にいて、縦に速いサッカーをしていた。関塚監督時代、一度、つなぐサッカーにしようとしてうまくいかず、結局カウンターサッカーに戻ったが、今年は完全にショートパスのサッカーに変貌した。

 まだ開幕したばかりだからか、コンビネーションの面はもう少しだったと思うが、これから少しずつ良くなっていくのかな、というのを感じさせた。とはいえ、まだまだ憲剛に頼る部分が大きい。ボールをつないで攻めているが、結局はチャンスを作るのは憲剛のパス能力。もう少しゴール前で、全体のコンビネーションやダイレクトプレー、3人目の動きなど精度を上げていかないと、Jの上位に行くには簡単ではない。

 あと気になったのは守備面。きょう序盤、山形がハイボールとクロスで揺さぶりを懸けてきたときに、バタバタするところが目立った。山形がその後、クロスを入れられなくなったが、あれを続けられていたら、もしかしたら失点につながっていたかもしれない。今後、相馬監督がどう成長させていくかが見ものだ。いずれにせよ、今年のフロンターレには楽しみな部分が多い。これからチーム力がどう“上積み”されるのか、注目していきたい。

[写真]歓喜に沸く川崎F

(取材 フットボールアナリスト田村修一)

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