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日本代表vsJリーグ選抜 試合後の日本代表選手コメント

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[3.29 東北地方太平洋沖地震復興支援チャリティーマッチ 日本代表2-1JリーグTEAM AS ONE 長居]

 日本代表とJリーグ選抜「Jリーグ TEAM AS ONE」が対戦する「東北地方太平洋沖地震復興支援チャリティーマッチ がんばろうニッポン!」が29日、大阪・長居スタジアムで開催された。日本代表は前半19分にMF遠藤保仁の直接FKで先制すると、同29分にもFW岡崎慎司が追加点。Jリーグ選抜も後半37分に途中出場のFW三浦知良がゴールを決め、夢の対決は2-1で日本代表が勝利をおさめた。
以下、試合後の日本代表選手コメント

●FW岡崎慎司(シュツットガルト)
「サッカーで勇気を与えられる人もいると思うけど、今、被災地の人はそういうことを考える余裕はないと思う。今日もチケットとかの売り上げを寄付するということだし、それが意義あることだと思う。物資とかお金とか、現実的なものが届くことを祈っています」
―自分も阪神大震災を経験している。
「自分は避難するとかはなくて、家にいられたけど、あとになって聞いたら水や食糧はだれかが持ってきてくれていたということだった。周りの人のおかげで自分は生きているんだと思っているし、今度は自分が人の力になれればと思っていた。今日がそのきっかけというか、一人ひとりの力は小さくても、これだけ集まれば大きくなるんだということを感じることができた。子供たちのためにも、未来のためにも、自分は遠いところ(ドイツ)からになるけど、何かを伝えていきたいし、支援もしっかりやっていきたい」

●FW前田遼一(磐田)
「すごい緊張感のある中での試合だった。みんな上手いなと思ったし、闘莉王の強さをあらためて感じた」
―試合をやってみて復興支援の力になると感じることはできた?
「やっている最中はそういう気持ちは持てなかったけど、頑張っている姿を見てもらいたいと思ってプレーした」
―サッカーの力をあらためて感じた?
「すごいことだなと思った。自分のプレー一つでも勇気づけられる人がいるかもしれない。ますますそういう気持ちを持ってやっていきたい」

●FW乾貴士(C大阪)
―どんな気持ちでピッチへ?
「全力でやるしかないと思った。全力でやっているところ見せようと」
―昨年9月以来の代表戦でした。
「アピールしかないと思っていた。でも今回は、そういうのはあとからと考えていた。それよりも全力プレーで勇気づけられたら思っていた。ベンチで見ていたときから、そういう風に考えていた」
―J選抜はどうだった?
「相手は凄い選手がいっぱいいた。ベテランの方とか、今まで日本を支えてきた人たちと一緒にやれたのは自分自身もうれしい。みんなで一致団結して、こうやって勇気づけようということでやれたのは、いいことだと思う」

●FW李忠成(広島)
「たくさんの方が見に来てくれて、テレビ中継もたくさんされていたと思う。一人でも多くの被災者の方の力になればと思ってプレーした。ゴールを見せたかったけど、精一杯プレーした姿を見て、何か感じてくれたらと思います」

●MF遠藤保仁(G大阪)
―FKのときは本田圭佑もポイントに立っていたが?
「どっちかと言うと、左(足)の方が狙いやすかったけど、壁とかGK(の位置)を見て、自分が蹴った方がいいかなと。ギリギリまで待って、自分の方が蹴りやすそうだった。入ってよかったです」
―被災地にメッセージは伝えられた?
「今日の試合を通じて、勇気とか元気を少しでも感じてもらえればうれしいなと思ってプレーした。自分が点に絡めたのは良かった。Jリーグ選抜もそういう思いでやっていたと思うし、向こうの方にも届いて、何かを感じてくれたらうれしいです」
―ゴール後はみんなで喪章を外して上にかざしていたが?
「試合開始ギリギリに『せっかく集まっているんだから何かやれることをやろう』という話になって、あれをやることになった。11人だけで戦っているわけじゃない。ベンチの選手を含めてみんなでやっている。『だれが決めてもやろう』と試合前から話していた」

●MF長谷部誠(ボルフスブルク)
―チャリティーマッチを終えてみての感想は?
「こういうものに答えはないけど、被災地の方が何かを感じてもらっていたら幸いです。これからについてもいろんな話をしているし、いろんな可能性がある。ただ、日程のこともあるし、何をやるとは言えないけど、サッカー選手としてできる限りのことをやっていきたい」

●MF柏木陽介(浦和)
―試合を振り返って。
「真剣に取り組みました。見ている人に勇気を与えられたかどうかは分からないけど、僕らにできることはサッカーを通して勇気や希望を与えることだと思っていた。そのために全力を出せたと思います」
―阪神大震災も経験したが?
「僕らのときとまた違うひどさがある。しんどいことも分かっている。今回、僕らが何をできるのかなということは分からなかったけど、唯一できたのが募金を集めることなどへの協力でした。だから、まずそれを積極的にやろうと思いました」
―45分間プレーしてどうだった?
「全然ダメだった。個人的に(自分の出た)後半は負けたという気持ち。カズさんは持っているなと感じたし、カズさんが決めて良かったというのはおかしいかもしれないけど、カズさんで良かったという気持ちもある」
―全然ダメというのは?
「もっと落ち着かせるところを落ち着かせること。メリハリをもっと付けること、DFが持ったときにもっと行くこと。それと、試合の中で間延びが多かったです。もっと声を出してやらないといけなかった。しっかり声を出してやっていかないといけないと思いました」

●MF細貝萌(アウクスブルク)
―ドイツから日本に帰国して感じたことは?
「日本の方がドイツよりも震災関連のことをニュースでやっていなかったので、驚いたくらいでした。ドイツでは(26日に)出発するまで、ニュースもずっとやっていたし、新聞でも何ページも日本の話だった」
―今日は出番はなかったが?
「今回、ケガもあってプレーすることができなかった。プレーで気持ちを伝えることはできなかったけど、参加できて良かったと思う。自分はこれから先、苦しみながらも、自分は自分でちゃんと頑張って、やっていければと思う。(震災の被災者支援についても)自分にできることは限られているが、できることはしっかりやっていきたいと思う」
―ケガとは?
「左足首です。今回、プレーできなかったことはすごく残念ですが、日本のために時間をかけてでもやっていければと思います」

●DF内田篤人(シャルケ04)
―3バックはどうでしたか?
「結構はまったと思う。ボールを前で取れた。パスカットが多かったと思う。攻撃に関しては狙ったことができた。まだ完成じゃない。もっと良くなると思う。初めてやってこれなので、もっと良くなると思う」
―被災地への想いを込めてプレーした?
「一生懸命やるだけであとは見てくれる人の受け取り方ということだったので、そんなに難しく考えずにプレーしました。サッカーで何ができるか分からないけど、少しでもサッカーを通じて人が動いてくれれば、みんなで協力するので、大変だとは思うのですが、頑張ってほしいです」

●DF長友佑都(インテル)
―先発で45分プレーした。
「気持ちだけで今日はやった。気持ちだけでも届くようにと思って。メッセージは届かないかもしれないけど、想いは届くようにとプレーしました」
―3-4-3は?
「僕らが崩していかないと、サイドをこじ開けられないので、責任を持って岡崎と僕がサイドを崩していこうという気持ちでやった。3-4-3はすごいやりやすかったところもありました。サイドで数的優位をつくれるから、僕らサイドは本当にやりやすい。どんどん出ていけるので」
―カズさんと試合後に話をしていた。
「『お前たちに任せられるよ』と言ってくれた。それがうれしかったです」

●DF今野泰幸(F東京)
―カズのゴールをどう思った?
「ゴールを決めたところもそうだけど、あのフリーラン。信じて走るのは簡単なことじゃない。右に左に、前に後ろに、すごく運動量も多かった。デイフェンスにもしっかり行っていた。気持ちが入っていた。そういうのを俺も見習わないといけない。宮城の人たちに、トライしていくプレーを見せないといけない。被災地の人に何か伝わればいいと思う」
―宮城の人も見ていたのでは? どんな思いでプレーした?
「見れていたらいいんですけどね。ひどいところはまだ電気が付いていないと思う。今日は被災者の皆さんのために、という思いがあったが、自分は派手なプレーもできない。ただ最後までボールを追うとか一生懸命なプレーを心掛けた」

●DF槙野智章(ケルン)
「楽しくできたし、一生懸命プレーすることを頭に入れてやった。どう伝わったか、受け取るのは現地の人たちだけど、みんなが手を取り合ってやっていくことが大事だと思う。ここで終わらずに、助け合って、手を取り合って今後もやっていきたい」

●DF岩政大樹(鹿島)
―試合を振り返って。
「僕らは頑張っただけなので、感想として今言えるのはそれだけです」
―会場が独特の雰囲気で、被災者という思いが強くなったのでは?
「やはりありましたが、僕らは選手なので、しっかりとプレーすることだけ考えてやりました」
―サッカーの力の大きさを感じたが。
「皆さんがそういう風に感じてくれたらうれしいですが、僕らは自分たちの仕事をすることだけを考えてやったので。いろんな人の思いを背負ってというか、背負おうが背負うまいが、自分のやるべきことは同じですし、自分がやるべきことをしっかりとやる中で、それがだれかに通じてくれればいい。だれかのことを背負うためにプレーするわけではないし、そういうふうにおこがましい思いは持つ必要はないと思う。自分の仕事に徹しようと思ってやった」

●DF森脇良太(広島)
―代表デビューとなったが?
「残り時間が少なかったし、どう入ろうか、2-0のスコアも踏まえて、しっかり後ろからということを考えてプレーした。僕が入って1失点したので悔しさも残った。いいスタートを切れなかったけど、また次のステップに向けて自分を高めていければ」
―特別な試合だったが?
「選手だけでなく、運営スタッフとか協会の方のおかげでお客さんがたくさん来てくれて、こういう雰囲気をつくってくれたことにまず感謝しています。その中で一生懸命プレーする姿を見せられればと思っていた。サッカーの力が被災地の方のエネルギーに変わって、また明日も頑張ろうと思ってくれれば。試合をしたから伝わるかは分からないけど、僕自身は伝わると信じている」

●GK川島永嗣(リールス)
―いろんな思いで試合に臨んだと思うが?
「やっぱりやる前は自分としても実際に震災が起こったと、サッカーに集中するのが難しかったし、正直やっていていいのかなとも思いました。この試合に関しても両方の意見があったと思います。でも今日、試合を終えたあと、これだけ選手もサポーターも一つになって、被災地のためにみんなが一つになってやれたのは非常に大きなことだと思うし、被災地は厳しい状況だと思いますけど、遠い場所にいても一つになれた気持ちが届けばいいかなと思います」
―いいメンバーがそろったJリーグ選抜に勝った。日本代表の強さというのは感じましたか?
「もちろんJリーグ選抜も本当にいいメンバーがそろっていたと思うし、実際に試合を見ていても要所要所で素晴らしい質のプレーを見せていたと思う。ただ、やはり試合前に監督が言いましたけど、僕たちが代表のユニフォームを着ているという誇りはあるし、自分たちの役割もある。そういう中で前半の立ち上がりから日本代表として、チームとして、いいプレーができたというのは良かったと思います」
―被災者にメッセージをお願いします。
「本当に今回の被害の大きさを見ると、相当な時間もエネルギーも必要だと思うし、まずは大きな悲しみから立ち上がらないといけないと思う。ただ、そういったときに被災地の人たちは一人じゃないし、みんながサポートする気持ちが日本だけじゃなく世界中もそうだし、そういったところをこれからも続けて、みんなで困難に立ち向かっていければいいんじゃないかと思います」

●GK西川周作(広島)
―試合を振り返って。
「今日はガチの試合ということで、相手に試合を譲るつもりもなかったですし、試合前はアジア杯そのままというか、ピリピリした雰囲気というか、いい緊張感で試合に入れたと思います」
―被災者へ向け、どんな思いでプレーした?
「時間が30分と決められていたので、その中で自分の良さを出そうと思って、フィードもチャレンジしたりとか積極的にやろうとしたんですけど、今までのサッカー人生でも経験したことのないような30分間、貴重な30分間になりました」
―被災者にメッセージを。
「被災された方は非常につらい思いをしていると思うんですけど、今日は本当に自分たちのサッカーが生中継で放送されたと思うので、90分の中で楽しめてもらえたかなとは思います。少しでも楽しんでもらえれば、選手としてすごくうれしいと思っているので、今日だけじゃなくて今後も積極的に復興に向けての行動をしていきたいですし、自分の役目はピッチの上で全力を尽くすこと。今こそ日本が一つになるときだと思います」

●GK東口順昭(新潟)
「被災者の方に直接的じゃなくても、間接的にでも勇気を与えられればいいなと思っていた」
―チャリティーマッチを振り返って。
「僕も阪神淡路大震災を経験しましたから、地震の怖さがあります。当時、被災者のために戦ってくれている人がいることで心強く感じていたし、今度は逆の立場で自分が勇気や希望を与えられたらいいなと思います」
―試合内容はどうだった?
「キックやフィードはぼちぼちだったと思うけど、失点したので、そこが求められるところなので、今日は難しかったと思いますね。強いシュートが来ると予測していたのですが、意外と浮かせてきたのでタイミングもズレてしまった。取りづらかったですね」

(取材・文 西山紘平、近藤安弘、矢内由美子)

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