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浦和が圧巻の3発! 新王者を下してペトロヴィッチ体制初勝利

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[4.24 J1第7節 浦和3-0名古屋 埼玉]

 新生・浦和が初勝利! Jリーグが再開し、24日にはJ1第7節の2日目の4試合が各地で行わた。埼玉スタジアム2002では浦和レッズ名古屋グランパスが激突し、浦和がMFマルシオ・リシャルデス、FW田中達也、FW原口元気のゴールで3-0勝利。今季初&ペトロヴィッチ新監督の下で初白星を手にした。ACLで調子を上げていた名古屋は疲れからか、いつもの攻撃力が発揮できなかった。

 浦和は4-5-1を採用。MF鈴木啓太が出場停止のため、ボランチにはベテラン山田暢久が入った。GKは山岸範宏、DFラインは右から高橋峻希、スピラノビッチ、永田充、宇賀神友弥。高橋もスピラノビッチも今季初出場となった。ダブルボランチは山田暢久と柏木陽介、右MFは田中達也、左MFは原口元気、トップ下はマルシオ・リシャルデスが入った。1トップはエジミウソンが務めた。

 対する名古屋も4-5-1を採用。右太もも裏痛でACL・FCソウル戦を欠場したFWケネディが復帰した。GKは楢崎正剛、DFラインは右から田中隼磨、田中マルクス闘莉王、増川隆洋、阿部翔平。ダブルボランチは小川佳純と吉村圭司が務め、右Mfは永井謙佑、トップ下は藤本淳吾、左MFは金崎夢生が務めた。1トップはケネディが構えた。永井と金崎は頻繁にポジションチェンジした。

 開始直後からホームの浦和が積極的なプレスでボールを奪い、名古屋ゴールに襲いかかった。前半2分、PA左でマルシオがスルーパス。エースのエジミウソンが受けて右足でシュートを放った。わずかに右に外れたが、流れを掴んだ。同10分には右サイドを攻略し、最後はゴール中央付近でパス受けた原口がミドルシュート。決まらなかったが、王者を押し込んだ。

 そして前半12分、勢いのままに浦和が先制点を奪った。ピッチ中央でエジミウソンがボールを拾ってカウンター。右に展開し、田中がPA右外から強烈なミドルシュートを放った。これをGK楢崎がたまらず弾き、こぼれ球にマルシオ・リシャルデスが反応して右足を一閃。新背番号「10」の移籍初ゴールで1-0のリードをつかんだ。

 その後も、浦和の勢いは止まらない。鋭いプレスと縦への速さで名古屋を困惑させる。前半25分には追加点もゲットした。中央やや右で柏木がスルーパス。これにマルシオが抜け出して中へグラウンダーパス。走り込んだ田中達也がきっちりと押し込んで2-0とリードを広げた。

 名古屋は19日のACL・FCソウル戦(アウェー)の疲労があるのか、中盤でパスミスを連発。出足も遅く、ボールが回せない時間が続いた。エース・ケネディにボールが入るとキープできるが、周りのフォローが少なく、効果的な攻撃が構築できなかった。闘莉王が再三、攻撃参加して周りを“鼓舞”したが、決定機は作れず。前半は浦和が主導権を握ったまま2-0で折り返した。

 後半、名古屋は開始から吉村に代えて、こちらもACLのFCソウル戦を腰痛で欠場したMF中村直志を送り出した。交代が効いたのか、また、浦和が前半ほどの運動量がなかったこともあり、名古屋もボールをつなぐ時間が徐々に増えていった。後半7分、右サイドから、藤本が左足でアーリークロス。これをファーで永井が反応し頭を合わせたが、角度がなくGK山岸の正面を突いた。

 何とか1点を返したい名古屋は後半18分、疲れが見えていた金崎に代えて高卒ルーキーのMF吉田眞紀人を投入。吉田はACLに続き、リーグ戦初出場となった。後半、名古屋はロングボールとサイドからの早めのクロスを多用。浦和に揺さぶりをかけた。浦和は運動量こそ落ちたもの、しっかりとした守備と、田中&原口の両サイド、そして生命線のマルシオのパスワークを活かして、3点目を狙っていった。

 名古屋は後半24分、3枚目の交代カードを切った。藤本に代えて高卒ルーキーのFW田中輝希を投入。田中はプロデビューとなった。若き力に流れを変えることを託した形だが、なかなか浦和守備陣を崩しきれない。後半28分、浦和は右サイドを田中が仕掛けてクロス。中央でエジミウソンがオーバーヘッドを繰り出したが空振り。しかし、これがファーの原口に流れて好機となったが、シュートはGK楢崎にセーブされた。

 名古屋は後半31分、左クロスにケネディが反応。長身を活かして頭を合わせたが、わずかに左に外れた。浦和はこのピンチをしのいだ直後、大きな追加点を奪った。同33分、名古屋の右SB田中に渡りかけた横パスを原口元気がスライディングで奪い取り、ゴールへ突進。GK楢崎と1対1となり、最初の右足シュートは弾かれたが、こぼれ球をそのまま左足でねじ込んだ。執念が実り、原口にとって今季初ゴール。3-0と試合を決定づけるゴールにもなった。

 浦和は後半35分、田中に代えてFWエスクデロ・セルヒオを送り出した。さらに同39分には山田に代えてMF青山隼、原口に代えてFWマゾーラを入れた。青山は元名古屋で、古巣を相手に移籍後初出場を果たした。ロスタイム、マゾーラが快足を活かして絶好機を作ったがゴールはならず。試合はそのまま浦和が逃げ切りに成功。4万2767人が集まったホームで、今季初白星&ペトロヴィッチ体制の初勝利をつかんだ。

(取材・文 近藤安弘)

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