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完敗の名古屋、指揮官「私のチームではない感じ」、闘莉王「残念な誕生日に……」

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[4.24 J1第7節 浦和3-0名古屋 埼玉]

 王者の面影はなかった。攻守両面で浦和に圧倒され、0-3の完敗を喫した名古屋グランパスストイコビッチ監督は試合後の会見で「攻撃も守備も良くなかった。私のチームではない感じがした。負けは当然の結果。簡単なボールをコントロールできなかったし、簡単にボールを失っていた」と嘆いた。

 19日のACL・FCソウル戦(アウェー)から中4日。その前も6日、12日と週1ペースで試合を重ねていた。エースのケネディも右太もも痛から復帰したうえ、試合勘の面でも浦和より優位かと思われたが、蓄積疲労というマイナス面のほうが上回ったようだ。

 その結果、浦和のハイプレスに苦しみ、中盤でボールをつなげず、簡単にボールを奪われた。運動量は少なく、セカンドボールもほとんど拾えなかった。指揮官は「セカンドボールだけではなく、ファースト、セカンド、サードと全部、相手に持っていかれた」とこぼした。そして「きょうは我々の日ではなかった。日曜日は、グランパスの日ではなかったですね」と肩を落とした。

 MF藤本淳吾は、試合勘の面を問われると「それは間違いなくそうだと思いますが、出足にしろ、セカンドボールにしろ、球際にしろ、浦和のほうが勝っていた」と分析した。そして「ミスしてボールを取られたら、こういう結果になる。相手の方が勢いを含めてすべてが上だった。一からやり直したい」と反省した。

 開幕前からMFダニルソン、MFブルザノビッチを怪我で欠いているが、ACLでは、ここ最近2連勝とチーム力が上がってきたと思われていた。それだけに、悔やまれる完敗となった。この日、30歳の誕生日を迎えたDF田中マルクス闘莉王は「残念な誕生日になったかもしれない。俺の人生、改めて簡単じゃないなと、もう一回、考えさせてくれるような試合だった」と悔しがった。

 ただ、大きなショックは受けていないようだ。闘莉王は「まだ序盤だから」と言い、そして「ここからもう一回、自分には這い上がっていける力はあると思うので、絶対にまた、輝かしい名古屋にしたい」と前を向いた。この日の完敗を、チームを引き締め直す“良薬”にする-。名古屋イレブンは自分たちに言い聞かせているようだった。

[写真]名古屋ストイコビッチ監督

(取材・文 近藤安弘)

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