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浦和・青山が古巣戦で移籍初出場「拍手してくれて凄く嬉しかった」

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[4.24 J1第7節 浦和3-0名古屋 埼玉]

 浦和レッズのMF青山隼が移籍後初出場を果たした。今季、徳島から加入したボランチは、後半39分にMF山田暢久に代わってピッチに登場。ゴールが欲しい名古屋はハイボールで押してきたが、持ち味の守備力を発揮して完封勝ちに貢献した。

 古巣の名古屋を相手に浦和デビューとなり、その味は格別だったようだ。「名古屋ということで、いろんな思いがあった。試合前のメンバー発表で、僕の名前が呼ばれたとき、拍手をしてくれて凄く嬉しかった。試合後に挨拶に行けなくて、申し訳なかったです」。名古屋U-18出身で、グランパスはプロとして最初に在籍したクラブ(06年から08年途中)。思い出深く愛着のあるチームで、当時からのチームメートや、また現地には多数の知人・友人がいる。

 しかし試合中は、そんな感傷は捨てた。「間延びしていたし、あの時間に出たということは0で締めてくれというメッセージだと思った。守備ではしっかりとスペースを埋めて、攻撃ではシンプルに展開してと思った」と浦和を完封勝ちに導くことだけを考えた。「少ない時間でしたけど、与えられた仕事はできたかなと思います。途中から出て、すごく短い時間でしたけど、勝つことができて良かった」と笑顔を見せた。

 青山は仙台市出身。東日本大震災では、自宅や親類に大きな被害はなかったそうだが、多くの知人・友人が被災した。自身のプレーで被災した友人や宮城の人々を勇気づけたいと明かしていたが、その第一歩を踏み出した。

「母は仕事があるので、もう仙台に帰ったのですが、仙台から何人かの人が見に来てくれた。まずは自分が一生懸命やっているところを見せるのが重要なこと。僕が頑張っていることで、勇気を与えられると信じている。そういうプレーをしていきたい」。浦和のリーグ優勝、そして東北の復興に貢献へ。青山はこの日をスタートに、さらなる飛躍を目指す。

(取材・文 近藤安弘)

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