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柏が12年ぶり開幕3連勝。北嶋のJ1通算50得点目が“記念弾”

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[4.29 J1第8節 柏2-1甲府 柏]

 柏レイソルが1999年以来となる12年ぶりの開幕3連勝をつかみ、首位をキープした。導いたのはFW北嶋秀朗だ。1-1の後半19分、相手のクリアを拾ったMFレアンドロ・ドミンゲスが右クロス。これにゴール右で北嶋が反応した。距離が近く強めのボールだったが、得意の胸トラップでうまく落とし右足を一閃。すぐさま、ホームの熱いレイソル・サポーターたちが狂喜乱舞した。

 0-1の後半開始から今季初出場を果たし、これが今季初ゴールとなったが、試合前からこの一発を思い描いていた。北嶋はここまでJ1で通算49得点を決めていた。つまり、次のゴールがJ1通算50得点目だった。それをホームで決めることを強く意識していた。

「試合前から(取りたいと)思っていた。うれしいです。50ゴールが多いか少ないかと言われると、少ない。でも、いろんな人の支え、協力があって取れたゴール。周りには誇れないけど、自分には誇れる」

 ベテランの節目のゴールで、12年ぶりの開幕3連勝、首位をキープしたが、北嶋は当時の開幕3連勝も“経験”している。ただ当時はベンチ外で、スタンドなどで見ていただけ。さすがに「12年ぶり? そうみたいですね。覚えてはないです」と苦笑いした。当時は入団3年目で、背番号も今と同じ「9」に変わった初年度。結果的にそのシーズンはリーグ戦17試合7得点の結果を残しているが、まだ“期待の星”どまりだった。

 それから12年が過ぎ、今ではベテランとしてレイソルを牽引する。スタメンで出る回数は減ったが、試合への意欲、ゴールへの熱意は衰えていない。それを証明すべく、ピッチで戦っている。北嶋は「出たら、こうして見せられるんだ、結果を残せるんだというのは、常に意識してやっている。出られなくて悔しいという気持ちはある」と吐露した。こんな強い気持ちが若手の手本となっている。

「レイソルはいつも強いチームでありたい。J2から上がってきたばかりのチームだけど、J1で結果を残すために、J2を戦ってきた」

 北嶋はこの3連勝&首位キープは、決してまぐれではないことを強調する。柏は昨年からリーグ戦4連勝で10戦負けなしと好調を維持している。「昔(若い頃)と違うことは、チームが勝つことのほうが嬉しいこと」とも話す北嶋。先発でも途中からでも、たとえ出番がなくてもレイソルのために-。これからも背番号「9」は、熱狂的なファンの期待に応え続ける。

(取材・文 近藤安弘)

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