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甲府・ハーフナーに対し、人種差別発言か

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[4.29 J1第8節 柏2-1甲府 柏]

 ヴァンフォーレ甲府は敵地で先制しながら逆転負け。開幕から1分2敗とJ1復帰初勝利はお預けとなった。ボールこそ柏に回されたが、引き気味の陣形を取って中盤とDFラインが2つのブロックを作り、失点シーン以外は奮闘した。前線からの積極的な守備が光り、何度かミスパスを拾ってゴールに迫った場面もあった。それだけに悔やまれる敗戦だった。

 そんな悔しい一戦で、甲府のFWハーフナー・マイクが人種差別的な発言を受けたという。甲府の三浦俊也監督が試合後の会見で「(ハーフナーの)ガッツポーズは挑発と取られたみたいだけど、人種差別的な発言を言われたと。それはコミッショナーに報告した。今後、どうなるかは分からないけど、付け加えさせてもらいます」と発言し、事態がおおやけになった。

 前半41分、FWハーフナー・マイクが味方が奪ってくれたPKを決めてJ1初ゴールを記録した。通算29試合目での記念弾。この際、ハーフナーは柏サポーター席に向けて見せつけるようにガッツポーズを繰り出したが、これが『反スポーツ的行為』として警告(イエローカード)を受けた。しかし、このような行動に及んだのには、理由があったという。

 甲府の佐久間悟GMによると、このPK弾までの間に、柏サポーター席のほうから、ハーフナー・マイクに向かって人種差別的な発言が繰り返されたためだという。「試合中、コーナーキックのときなどに、マイク(ハーフナー・マイク)に向かって“クソ白人”とか、マイクの家族を誹謗中傷するようなことを言われていたそうです。それで、PKが決まった瞬間“よっしゃー”とやってしまった」と同GMは説明した。

 試合後には、佐久間GMとハーフナー・マイクが福田寛マッチコミッショナーのもとへ出向き、ガッツポーズに至った経緯を説明。柏サポーター席側から差別的発言があったことを訴えたという。

 この甲府側の主張はマッチコミッショナーを通じて、あすにでもJリーグに報告される予定。国際サッカー連盟以下、Jリーグでは人種差別的発言に関しては厳しく対処することにしており、今後、Jリーグを通じて柏側に調査するよう命じられる可能性がある。

 最近では2009年に、東京Vの外国人選手が、甲府の日本人選手から差別的な発言を受けたと訴えたため、規律委員会が調査を行った例がある。当時は、差別的発言はなかったと判定され、処分はなかったが、世界を見ると、差別的発言をしたチームへの処分として、主催試合が無観客試合になったものもある。

 ハーフナーはこの件に関しては、クラブ側に任せているとして語らず。この日決めたJ1初ゴールについては「PKだったけど、決められてよかった。でも、そのあとに逆転されてしまった。あれだけ守備的にやって、失点を食らうと苦しい。同点にされたあと、点を入れられなかったので悔しいです。早くJ1で初勝利したい」と次戦5月3日のホーム・大宮戦での初勝利を誓っていた。

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