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F東京、決定力欠きドロー。札幌は今季初勝ち点ゲット

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[4.30 J2第9節 F東京0-0札幌 味スタ]

 J2第9節が30日に各地で行われ、東京・味の素スタジアムではFC東京とコンサドーレ札幌が激突した。ホームのF東京がボールを支配したが、札幌の粘り強い守備に苦戦。攻撃陣も決定力を欠き、0-0の引き分けに終わった。札幌は今季初の無失点で初の勝ち点1をつかんだ。

 F東京は前節の千葉戦でMF米本拓司が大怪我を負い離脱。代わりのボランチには2列目だった梶山陽平が下がった。システムは4-4-2でGKは権田修一、DFラインは右から椋原健太、森重真人、今野泰幸、阿部巧。ダブルボランチは徳永悠平と梶山陽平が組み、右MFは鈴木達也、左MFは谷澤達也が入った。2トップはロベルト・セザーと高松大樹が組んだ。セザーは加入後初先発を果たした。

 対する札幌は4-5-1を採用。GKは李昊乗、DFラインは右から高木純平、山下達也、河合竜二、岩沼俊介。ダブルボランチは芳賀博信と宮澤裕樹が組み、2列目は右から古田寛幸、アンドレジーニョ、近藤祐介が入った。1トップは三上陽輔が務めた。

 前節千葉戦で0-3完敗し、何としても連敗を避けたいF東京。序盤からボールを支配しゴールに迫った。梶山の展開力、鈴木のスピードを活かして攻め入るが、バイタルエリアを崩せない。前半9分、阿部の左クロスにセザーが飛び込むが、シュートはジャストミートできなかった。前半14分には徳永から鈴木、そして左の阿部とつなぎ、最後は中央で梶山がミドルシュートを放ったが、これは大きく枠を外した。

 開幕から2連敗中の札幌は、敵地とはいえ、白星が欲しいところ。相手の個人能力の高さに対抗すべく引き気味に守り、トップ下に入ったアンドレジーニョのスピードと左サイドの近藤の突破力を活かすなどしてカウンターアタックを狙う。しかし、ゴール前にかける人数が少なく崩すことはできない。

 前半18分、札幌は左サイドへの長めのパスにアンドレジーニョが追いつき、飛び出したGK権田も交わしてクロスを入れたが、中に誰もおらず、合わせることができなかった。同23分にはPA左で三上がタメを作り、最後は近藤が右足で強烈なミドルシュートを放ったが、これはGK権田に弾かれた。同32分には右から流れてきたクロスを近藤がファーで左ボレーを放ったが、これは上に外れてしまった。

 前半43分、F東京はロベルト・セザーがDFからボールを奪い、ドリブル突進。しかし、シュートを打ちきれず防がれた。ロスタイムには梶山、椋原とつなぎ、最後は鈴木がクロスを入れたが、GK李にキャッチされた。この際、ボール支配率に比べて、なかなかシュートまで行けない状況に、FC東京サポーターは業を煮やし「シュート打て!!!」のヤジが飛んだ。前半はF東京が支配するも0-0で折り返した。

 後半、共にメンバー変更なくスタートした。開始から4分、札幌が決定機を作った。中央から宮沢が右サイドのスペースへパス。これにアンドレジーニョが快足を飛ばして追いつきPA内へ突進した。GK権田と1対1になりシュートを放った。しかし、これは権田のファインセーブに防がれた。

 F東京も反撃。後半9分、PA左でボールを受けたセザーがドリブルから右足シュート。これも決定機だったが、GK李の好セーブに阻まれた。このこぼれ球を鈴木が中に入れ、高松がニアで足を合わせたが、再びGK李の好セーブの前に決めることができなかった。

 何とか先制点が欲しいF東京は後半9分、高松に代えて元G大阪の新加入FWペドロ・ジュニオールを送り出した。ペドロはこれが移籍後初出場。2トップの一角に入り、ゴールを目指した。対する札幌も同18分、アンドレジーニョに代えてMF砂川誠を投入。ベテランの勝負嗅覚に懸けた。

 その後、一進一退の攻防が続く。F東京がパスを回し、札幌はショートカウンターの展開を狙うが、どちらも意図する攻撃の形が作れない。後半25分、F東京は鈴木に代えてMF中村北斗を投入。その1分後、札幌は近藤に代えてFW横野純貴を送り出した。後半31分、シュートが少ないF東京に対し、再びサポーターから「シュート打て!」のゲキが飛んだ。

 札幌は後半32分、三上に代えてDFチアゴを投入。187cmの長身に期待し、CBではなく、センタフォワードの位置に入れて空中戦の支配を狙った。同35分、札幌が決定機を作る。左サイドからのクロスに、宮澤が飛び込みヘディングシュート。決まったかと思われたが、枠を外してしまった。

 F東京は後半37分、谷澤に代えてMF大竹洋平を投入。持ち味のドリブル突破を活かそうとした。同37分、セザーのスルーパスで梶山がPA内へ進入。しかし、シュート体勢に入ったところでカバーされ、打ちきれなかった。札幌は後半42分、高木の縦パスをチアゴが落とし、PA内右で古田が左足一閃。うまく攻略したが、シュートはGK権田に防がれた。

 ロスタイムは4分。共に縦に速いパスを入れてゴールをうかがう。しかし結局、ゴールは最後まで割れず。スコアレスドローに終わった。試合後、ホームのF東京サポーターは選手たちにブーイング。「意地見せろ!」「意地見せろ!!!」のコールでゲキを飛ばしていた。

[写真]選手にゲキを飛ばしていたFC東京サポーター。選手たちは気持ちに応えられるか

(取材・文 近藤安弘)

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