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またも現れたセクシーフットボールの申し子、横浜FC・荒堀がプロ初先発で決勝点

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[4.30 J2第9節 湘南0-1横浜FC 平塚]

 また一人、セクシーフットボールの申し子が“鮮烈デビュー”を飾った。横浜FCのMF荒堀謙次がプロ初先発で決勝点。23日の鳥栖戦(1-3)に途中出場しプロデビューは済ませていたが、開幕3戦目で初の先発ピッチに立つと、開始40秒でゴールをおとしいれた。

 PA外の右サイドでFW藤田祥史からパスを受け、すかさずドリブルでPA内に切れ込む。DF石神直哉、DF遠藤航の間を強引に突破し、思い切りよく右足を振り抜いた。

「(ドリブルが)相手に当たったけど、うまくいって。思い切り左を狙っていたし、思ったよりいいコースに飛んだ」。ゴール左上に突き刺さる弾丸シュート。GK西部洋平も「スーパーなシュートだった」と脱帽するしかなかった。

「一発目で入って気持ち的には楽になった」という荒堀は後半7分にも右サイドのタッチライン際を鋭いドリブルで突破。DF2人をかわしてゴール前に折り返すなどチャンスをつくった。守備でも豊富な運動量で最後まで走り抜き、1-0の逃げ切り勝利に貢献。これには岸野靖之監督も「彼は右も左もシュート力がある。最後まで足も止まらなかった」と称えた。

 野洲高から同志社大をへて今季から横浜FCに入団した。高校2年時の05年度には全国高校選手権で優勝。セクシーフットボールで旋風を巻き起こした日本一メンバーの一員であり、鹿児島実高との決勝(延長2-1)で先制点を決めたのが、当時はストッパーの荒堀だった。

 優勝メンバーではFW青木孝太(千葉)、MF楠神順平(川崎F)、DF内野貴志(京都)が1学年上。同学年でもMF乾貴士(C大阪)のほか、MF山田晃平(草津)、DF田中雄大(川崎F)、MF村田和哉(C大阪)が荒堀と同じように大学を経由してプロに入った。

 高校時代、ともに戦った仲間たちが今はプロの世界でしのぎを削っている。「みんなのことは気になるし、メールもくれたりしてパワーになっている。今日もかなりメールが来てました」と、今でも連絡を取り合っているという。「あのときのメンツを見ると、すごいなと思う。その中で自分も頑張らないと」。荒堀にとって、これ以上の刺激はない。

「いいスタートを切れたかなと思うけど、まだまだ先がある。これを続けることが大事だし、これからだと思う」。チームに今季初勝利をもたらすプロ初ゴール。それもこれから続く長いプロ生活のほんの第一歩に過ぎない。

(取材・文 西山紘平)

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